ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,311】生産年齢人口の減少で高まる「なでしこ」への期待(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,311】生産年齢人口の減少で高まる「なでしこ」への期待(日本)

2014年4月17日

1.日本の人口動態を把握するには?

 総務省が公表する「人口推計」によって把握できます。「人口推計」は、5年に1度の国勢調査による人口を基に、その後の出生数・死亡数や、入国者数・出国者数などを加味して毎月算出されます。また、毎年4月に発表される「人口推計」では、都道府県別など、毎月に比べてより詳細な人口の内訳が算出されます。

2.最近の動向

 4月15日に公表された「人口推計(2013年10月1日現在)」によると、日本の総人口は1億2,729万8,000人と、前年から21万7,000人減少しました。年齢を大きく3区分した割合は、年少人口(0~14歳)が12.9%、生産年齢人口(15~64歳)が62.1%、老年人口(65歳以上)が25.1%となりました。老年人口が初めて25%を超え、総人口の4人に1人が65歳以上ということになりました。一方、生産年齢人口は前年から116万5,000人減少して7,901万人となり、1981年以来32年ぶりに8,000万人の大台を割り込みました。2012年から2014年にかけて「団塊の世代」が65歳を迎えていることにより、高齢者層の割合増加と生産年齢人口の割合減少が顕著になっています。

3.今後の展開

 生産年齢人口の減少が続くなか、一層注目度が高まっているのが女性の労働力の活用です。安倍政権の成長戦略では、雇用制度改革において、女性の活躍推進がその中核として掲げられています。これまで民間調査でも、女性管理職の割合や女性の活用度、男女の均等度などの点から「女性が活躍する会社」のランキングなどが発表されてきました。これに加え、2012年度からは経済産業省と東京証券取引所が共同で女性活躍推進に優れた企業を選定し、「なでしこ銘柄」として発表しています。
 政府の税制調査会では、配偶者控除の見直し議論が始まりました。配偶者控除は、配偶者の年間給与収入が103万円以下の場合、給与所得から一律38万円が控除されることから、女性の就労拡大を抑制しているとの見方があります。一方、控除が受けられる範囲で働くことで家庭と両立しているとの女性の意見も聞かれます。配偶者控除の見直しには、女性の就業率が低下する30~40代に向けて、保育所拡充などの子育て支援の充実を図ることなどにより、就労しやすい環境づくりなどが必要と考えられます。
 働き方や価値観が多様化するなか、女性の労働力活用のために実施されつつある制度・政策には、「働く現場の声」が生かされることで、より実効性の高いものになると思われます。そして、これにより、企業やスポーツなどでその活躍が光る「なでしこ」が、今後の日本経済の成長性向上の一翼を担うことが期待されます。

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