ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,379】アクセス改善で「訪日外国人数」は一層増加(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,379】アクセス改善で「訪日外国人数」は一層増加(日本)

2014年7月28日

1.日本を訪れた外国人の数を知るには?

 日本政府観光局(JNTO)が『訪日外客数』を毎月発表しています。直近2カ月分は、訪日外国人の多い「重点市場」の動向を基に推計値が発表され、それ以前の分は法務省統計に基づく暫定値、翌年に確報値が発表されます。現在は、世界36カ国と、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニアの地域別の訪日外国人数がわかるほか、目的別(観光、商用等)の動向も把握できます。

2.最近の動向

 23日、JNTOが発表した6月の「訪日外国人数」は、前年同月比+17.3%の105万7,000人(推計値)となり、3月以降4カ月連続で100万人を超えました。また、今年上半期(1月~6月)の「訪日外国人数」は前年同期比+26.4%の626万人となり、同期の過去最高を更新しました。
 昨年はASEAN諸国に対するビザの発給要件が緩和され、対象となった国々からの観光客が大幅に増加しました。これに加えて、今年は3月に羽田空港の国際線発着枠が大幅増便されたことで、東南アジアや一部ヨーロッパ・北米からの日本へのアクセスが改善しました。2014年6月の「訪日外国人数」を地域別にみると、フィリピンが前年同月比+80.1%、タイが同+77.1%、マレーシアが同+73.4%などと特に大幅に増加しました。いずれも昨年ビザの発給要件が緩和され、今年羽田空港からの新規就航・増便があった空港がある国です。

3.今後の展開

 安倍政権の成長戦略『日本再興戦略』では、「観光資源等のポテンシャルを活かし、世界の多くの人々を地域に呼び込む社会」がテーマの一つとなっています。昨年は目標としていた「訪日外国人数」の1,000万人を達成(実績は1,036万人)しました。2014年の成長戦略の改訂版では、2020年の東京五輪を機として2,000万人を、また、2030年には3,000万人を超えることが新たな目標とされています。このため、今年6月には「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」が決定され、2020年東京五輪等を見据えた観光振興や外国人旅行者の受け入れ環境整備、更なるビザ発給要件の緩和など訪日旅行の容易化などが施策とされています。「訪日外国人数」を倍増させるため、今まで以上に日本の文化的魅力などを海外にアピールし、実際に日本に来て日本の魅力を体験してもらうことのほか、大都市圏だけでなく日本各地に観光客を呼び込むため、LCC(格安航空会社)の地方空港乗り入れを含めた一層のアクセス改善が期待されます。

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