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民間給与、3年ぶり増加(日本)【キーワード】

2014年9月30日

<今日のキーワード>
民間の給与は、国税庁が「民間給与実態統計調査」として、1949年分から毎年発表しており、今年(2013年分)は第65回目の結果が公表されました。この調査では民間の事業所における、年間の給与を、給与階級や事業所規模、企業規模などに分けて調査・公表しています。このほか、厚生労働省が「毎月勤労統計調査」で月間の現金給与総額などを公表しています。

【ポイント1】平均年間給与は3年ぶりに増加

給与所得者数も2年ぶりに増加
■民間企業において、給与所得者(1年を通じて勤務した者、以下同様)の平均年間給与は、前年比+1.4%の414万円と3年ぶりに増加しました。また、給与所得者の数は同+2.0%の4,645万人と2年ぶりに増加しました。 給与所得者の平均年齢は45.2歳、平均勤続年数は11.8年でした。

■平均年間給与を正規(役員、非正規を除く給与所得者)、非正規(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等)の別に見ると、正規は同+1.2%の473万円、非正規は同▲0.1%の168万円と、正規の増加が全体の平均年間給与の増加をけん引しました。

【ポイント2】業種別では「電気・ガス等」が最高額

200万円超400万円以下に約3分の1が集中
■平均年間給与を男女別に見ると、男性は前年比+1.9%の511万円、女性は同+1.4%の272万円となりました。また全体の内訳を給与・賞与で見ると、給与が353万円、賞与が61万円でした。

■平均年間給与を業種別に見ると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が696万円と最も高く、次いで「金融業、保険業」が617万円となりました。一方、「宿泊業、飲食サービス」が233万円と最も低く、次いで「農林水産・鉱業」が289万円となりました。

■給与所得者の数を給与階級別に見ると、300万円超400万円以下が全体の17.4%と最も多く、次いで200万円超300万円以下が同16.8%と、両階級で3分の1超を占めています。一方、500万円超は27.7%、1000万円超は3.9%と、大幅に割合が小さくなります。

【今後の展開】雇用環境は改善、「デフレ脱却」に向けて更なる賃金上昇へ

■景気回復に伴い雇用環境が改善
失業率を見ると2009年7月の5.5%を直近のピークに、景気回復に伴って低下し、最新の2014年8月は3.5%まで改善しています。また安倍政権は賃金の増加を度々経済界に要求しており、2014年3月以降、月間の現金給与総額も前年同月比でプラスに転じています。

■人手不足から「デフレ脱却」に向け賃金上昇へ
有効求人倍率は2014年8月に1.10倍まで上昇し、建設業など人出不足が深刻な業種もあり、こうしたところを中心に今後雇用者数や賃金の上昇が見込まれます。ただし、平均年間給与は2009年に底を打って以降緩やかな上昇傾向となっていますが、それ以前の水準にはまだ遠く、デフレ脱却に向けて更なる賃金上昇が期待されます。

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