ホームマーケット日々のマーケットレポート【デイリー No.1,903】オーストラリアの金融政策(7月)~ 10会合連続で政策金利を据え置き~/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【デイリー No.1,903】オーストラリアの金融政策(7月)~ 10会合連続で政策金利を据え置き~

2014年7月1日

<ポイント>
・豪中銀(以下、RBA)は市場の予想通り、政策金利を過去最低水準の2.50%で据え置きました。
・今後2年間の物価上昇率は年+2~+3%の中銀目標に合致するとの見方が前回同様示されました。
・景気が底堅く推移していることや主要国で金融緩和が長期化する観測などから、豪ドルは底堅さを保ちそうです。

1.政策金利を10会合連続で据え置き

 RBAが1日公表した声明では、前回会合に引き続き金利をしばらく安定させることが適切との方針が維持されたほか、今後2年間の物価上昇率は年+2~+3%の目標と合致するとの見方が示されました。

2.国内経済は底堅く推移

 RBAは、今年の成長率は中長期的なトレンドをやや下回るものの、景気は底堅く推移すると見ています。雇用環境は、正規雇用者数が増加基調を維持しているなど改善が見られます。消費は、住宅価格や株価の上昇、雇用環境の改善に支えられて底堅さを維持しています。一方、資源価格が下落基調にあることは、輸出の見通しを不透明にする要因です。

3.今後の市場見通し

 2014年通年の実質GDP成長率は、1-3月期が予想を上回ったことなどから2014年通年の見通しも若干上振れており、年+3%をやや上回る程度と市場では予想されています。賃金上昇の鈍化により物価上昇率は落ち着いた推移が見込まれることから、RBAは過去最低水準にある現行政策金利を当面据え置くと思われます。
 債券市場では、景気が底堅く推移していることから、債券利回りには緩やかな上昇圧力がかかると見られます。ただし、相対的に高い金利水準や信用力が豪州債券への需要を支え利回り上昇を抑えると見られ、債券価格は今後も底堅く推移しそうです。
 為替市場では、景気の底堅さや主要国の金融緩和などが豪ドルの上昇要因として見込まれます。一方、RBAの豪ドル高に対するけん制姿勢は残ることから、対米ドルでは当面は方向感が出にくいと見られます。対円では日銀の強力な金融緩和策もあり底堅く推移しそうです。中長期では、相対的に高い金利水準、豪州債券の高い信用力、中国景気の高めの成長などが下支え要因となり、豪ドルの底堅さは維持されそうです。

関連マーケットレポート