ホームマーケット日々のマーケットレポートASEAN4の経済見通しと金融政策 2016年の成長率はやや加速、通貨も堅調に推移しよう/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ASEAN4の経済見通しと金融政策
2016年の成長率はやや加速、通貨も堅調に推移しよう 【デイリー】

2016年5月20日

【ポイント1】2016年の成長率はやや加速

堅調な消費、投資がけん引

■ASEAN4の成長率はやや加速する見通し
フィリピン・・・16年1-3月期(以下、1Q)の実質GDP成長率は前年同期比+6.9%と、前期から加速、中国の成長率(同+6.7%)をも上回りました。消費に加え、民間投資の拡大も期待され、16年中は高成長を維持すると予想されます。
タイ・・・16年1Qは同+3.2%と前期から加速しました。ただ、干ばつの影響で内需が下振れると思われ、今後は2%台後半の成長が続く見通しです。
マレーシア・・・16年1Qは同+4.2%と前期から鈍化したものの、民間消費は同+5.3%と前期(同+4.9%)から加速するなど堅調です。国営企業を利用した景気刺激策によって、下期にかけて緩やかに成長が加速する見通しです。
インドネシア・・・16年1Qは同+4.9%と前期を下回ったものの、今後は民間投資も強まると期待され、下期に向け持ち直しが予想されます。

【ポイント2】金融政策は現状維持

タイは年後半緩和へ

■金融政策は、タイを除いて現状維持の見通しです。(第2表)のフィリピン、インドネシアの低下はターゲットとなる政策金利の変更によるもので、金融緩和は見込んでいません。タイは、内需の下振れリスクから10-12月期に利下げを実施する見通しです。

【今後の展開】ASEAN通貨に底打ち感

■通貨は、ASEAN通貨安・円高傾向が続いています。これは、資本流出リスクやそれに伴うリスクオフの流れが、円高に繋がりやすいことが背景です。ただ、足元ではASEAN通貨に底打ち感が台頭してきました。ASEAN経済は成長率が加速するなど好調さを増しています。米国の利上げの可能性が高まっているものの、中国景気が回復傾向にあるなど、極端なリスクオフの動きは回避されると思われます。こうした中、ASEAN通貨は堅調に推移すると予想されます。

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