ホームマーケット日々のマーケットレポート中国は追加金融緩和、景気減速と株価下落に対応【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

中国は追加金融緩和、景気減速と株価下落に対応【デイリー】

2015年6月30日

【ポイント1】政策金利、預金準備率ともに引き下げ

景気を下支え
■中国人民銀行(中央銀行)は27日、政策金利である預金と貸出の基準金利(期間1年)を28日からともに0.25%引き下げ、それぞれ、2.00%、4.85%とすると発表しました。さらに、一部の銀行の預金準備率も0.5%引き下げるとしました。

■今回の引き下げは、預貸基準金利が昨年11月以降で4回目、預金準備率は同じく3回目です。企業の資金調達コスト軽減などにより、景気の下支えを狙ったと見られます。

【ポイント2】株式市場は大幅下落

ギリシャ不安も拍車
■上海総合指数は、26日までの2週間で約▲19%下落していました。これまでの上昇に対する高値警戒感に加え、信用取引規制の強化や相次ぐ新規株式公開(IPO)による需給悪化懸念などが要因です。今回の金融緩和強化は、株式市場下落の経済への影響も意識されたと見られます。

■香港で取引されるハンセンH株指数は、本土市場下落の影響などから、26日までの2週間で約▲6%下落しました。

■29日の上海総合指数は、ギリシャのデフォルト懸念の高まりなども影響し、前日比▲3.3%、ハンセンH株指数は同▲3.0%でした 。

【今後の展開】景気テコ入れのため、追加の金融緩和策などが期待される

■本土株式市場は、当面振幅の大きい不安定な値動きを繰り返しつつ、下値を模索する展開となりそうです。信用取引にからむ返済資金確保のための売り圧力も懸念されます。一方、機関投資家がグローバルに投資する香港市場では、本土市場に連れた動きが想定され、またギリシャ問題などの影響も受けやすいと見られます。

■足元で中国の景気は引き続き減速していることから、政府は来年から始まる5カ年計画を視野に入れ、景気刺激策を強化すると予想されます。追加の金融緩和や製造業の競争力強化などにより、+7%前後の成長率達成が見込まれます。こうした政策強化は株式市場を下支えすると期待されます。

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