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最近の指標から見る欧州経済(2016年5月)
緩やかな景気拡大持続が金融市場をサポート 【デイリー】

2016年5月26日

【ポイント1】緩やかな景気拡大が持続

1-3月期GDPは0.5%増

■2016年1-3月期のユーロ圏の実質GDP成長率は前期比+0.5%となりました(年率換算は+2.1%)。1-3月期は、世界の金融市場が動揺するなど厳しい環境でしたが、消費を中心に内需が増加し、成長率は前期比で拡大しました。

■欧州景気は、金融緩和政策や難民対策の財政支出等を背景に、失業率の低下が継続するなど、底堅い雇用による消費に支えられています。今後も緩やかな景気拡大が持続する見込みです。

【ポイント2】ECBは緩和政策を維持

物価は低水準が継続

■4月のユーロ圏の消費者物価上昇率は、前年同月比▲0.2%と、物価の低迷を示しました。緩やかな景気拡大ペースや原油価格下落の影響から、今後も低水準が続くと予想します。

■欧州中央銀行(ECB)は、3月に決定した追加金融政策の効果を見極めるため、当面金融政策を据え置くものとみられますが、物価が目標とする2%を大きく下回っているため、状況に応じて年後半にも追加緩和を行う可能性があります。

【今後の展開】政治リスクが控えるが、金融緩和と財政拡大で対応可能

■欧州景気には、6月23日に国民投票が行われる英国の欧州連合(EU)離脱問題という「政治リスク」が控えています。英国のEU離脱の場合、金融市場の動揺が高まり、景気の足を引っ張る可能性には注意が必要です。

■ただし、リスクが顕在化した場合でも、ECBの金融緩和の強化や、ユーロ圏各国による財政支出拡大により、景気底割れは回避できるとみられます。欧州景気の安定成長はグローバルな金融市場のサポート要因となることが期待されます。

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