ホームマーケット日々のマーケットレポート日銀短観と市場動向 大企業の景況感は悪化、政策前倒しの可能性も【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

日銀短観と市場動向
大企業の景況感は悪化、政策前倒しの可能性も【デイリー】

2016年4月1日

【ポイント1】景況感は悪化

製造業、非製造業ともに悪化
■1日発表の1月~3月調査の「日銀短観」によると、大企業・製造業の「業況判断DI」(最近)は+6と前期より▲6、同じく非製造業が+22で同▲3の悪化となりました。市場(Bloomberg集計)を上回る悪化でした。新興国の景気が停滞したことや急激な円高が進んだことが主要因です。大企業の「先行き」の景況感も、製造業、非製造業ともに一段の悪化を見込んでいます。

【ポイント2】2016年度は減益見通し

想定為替レートは楽観的
■16年度の経常利益計画は慎重なものとなりました。また、設備投資計画は、大企業・全産業ベースで▲0.9%とマイナスからのスタートとなりました。設備投資計画は時点が進むにつれて上方修正される傾向があります。今回の計画はほぼ例年並みで、設備投資に対するスタンスは悪化しているわけではないようです。


■一方、想定為替レートが117円台と比較的楽観的で、足元の水準との差が浮き彫りになりました。今後想定為替レートが下方修正される可能性もあり、回復基調にある収益への影響が懸念されます。

【今後の展開】政策前倒しの可能性も

■株式市場は前場で前日比500円を超す大幅な下落となりました。為替に影響を受けやすい企業業績の先行きに懸念が広がったことなどが背景にありそうです。企業の景況感や企業収益の見通しが悪化すれば、今後の設備投資など国内景気に影響を与えかねません。日銀及び政府は、そうした事態を未然に防ぐためにも、追加金融緩和の前倒し等を含む対策の実行を早めざるを得なくなる可能性があります。

関連マーケットレポート