ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジル中銀がレアル買い介入の追加を停止【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジル中銀がレアル買い介入の追加を停止【デイリー】

2015年3月26日

【ポイント1】通貨安抑制プログラム打ち切り

市場予想通りながら、レアルは下落
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は24日、現行の通貨安抑制プログラム(ブラジルレアル買いの為替介入)について、市場の大方の予想通り、3月末で新規の実施を打ち切る方針を示しました。

■25日のレアル相場は、24日の報道を受け、対米ドルで前日比2.0%、対円で同2.2%のレアル安になりました。

【ポイント2】レアル安定への配慮は継続

既存取引の延長を続ける方針
■今回の決定には、通貨安をある程度容認し、低迷する景気に配慮する姿勢がうかがえます。一方、中銀は既存の為替予約を延長する方針や、必要に応じて追加的な為替介入を実施する姿勢を維持する方針も示しました。中銀は、レアルの安定に向けた配慮も当面続ける姿勢です。

■また、中銀は通貨安による物価高を警戒しており、次回会合(4月28日~29日)でも政策金利(現行12.75%)をさらに引き上げると見込まれています。

【今後の展開】金融引き締め策、汚職対策、財政再建策を受け、レアルは持ち直しへ

■景気低迷、物価高、石油公社を巡る汚職問題などからルセフ政権への支持率が大幅に低下しており、レアル安の一因になっています。ただし、政府は汚職対策法案を国会に提出するなど、国民の不満解消に取り組んでいます。

■財政再建への取り組みもあり、23日に大手格付け会社S&Pはブラジル国債の格付けをBBB-(外貨建て)に据え置くことを発表しました。これを受けて、投資適格を失うとの不安は後退しました。

■中銀の金融引き締め策や政府の取り組みなどにより、物価高の改善や政治・社会不安の解消が進む場合には、レアルは持ち直しに向かう可能性が高まります。

関連マーケットレポート