ホームマーケット日々のマーケットレポートメキシコ中銀が4カ月ぶりの利上げで通貨を下支え/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

メキシコ中銀が4カ月ぶりの利上げで通貨を下支え 【デイリー】

2016年7月4日

【ポイント1】メキシコが0.50%利上げ

市場予想を上回る利上げ幅

■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は6月30日に、政策金利(翌日物銀行間レート)を0.50%引き上げ、4.25%とすることを発表しました。0.50%という幅は市場の見込みよりも大きなものとなりました。

■中銀は、今年2月に緊急利上げを行いましたが、今回の利上げは、その時同様、通貨安に歯止めをかけるためです。金融政策委員会開催前の6月23日に、英国のEU(欧州連合)離脱の国民投票が行われ、通貨安が進んでいたことも、中銀の意思決定に作用したと見られます。

【ポイント2】通貨安を警戒

通貨ペソは利上げを受け上昇

■中銀は、外部環境が悪化しており、この動きが将来の物価情勢に悪影響を与えうるとしています。ここでの外部環境とは、通貨ペソ安を指していると考えられます。今後もペソの動きや米国の金融政策を注視しながら、必要に応じて利上げを行うと見られます。

■通貨ペソは、大幅な利上げを受けて上昇し、6月30日は、1米ドル=18.28メキシコペソ、1メキシコペソ=5.646円となりました。

【今後の展開】財政健全化姿勢と適切な金融政策がペソを下支え

■中銀は、政府が財政健全姿勢を維持する中、適切な金融政策を実施し、実際のインフレや将来のインフレ期待を抑えることが、金融市場の安定に寄与するとの考えを示しています。

■今後も世界の金融市場は、景気や政治面への不安感などにより、不安定な局面を迎える可能性があります。メキシコの中銀と政府が協調して物価上昇抑制や財政再建に取り組む姿勢は、ペソの下支え要因になると思われます。

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