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市川レポート

REPORT

トランプ政権の混乱と相場の変調

2017年08月21日

●トランプ政権は幹部退任が相次ぎ、2つの助言組織も解散、混乱が続けば市場の警戒も強まろう。
●米予算審議は遅れる見通しとなり、米景気対策の時期と規模、経済成長の見通しを下方修正。
●ただ最終的に景気対策は実施され債務上限は引き上げへ、株式など弱気相場入りは想定せず。

トランプ政権は幹部退任が相次ぎ、2つの助言組織も解散、混乱が続けば市場の警戒も強まろう

米トランプ政権では、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)や、コミー前連邦捜査局(FBI)長官ら、幹部の退任が相次いでいます(図表1)。なかには、トランプ米大統領の家族(長女イバンカさんや夫のクシュナー上級顧問)との意見対立が影響しているケースもうかがわれ、政権発足から7カ月で、これほど多くの幹部が政権を離れるのは、やはり極めて異例の事態と言わざるを得ません。

また、8月12日に米バージニア州シャーロッツビルで、白人至上主義団体と反対派の衝突が発生し、トランプ米大統領は「双方に非がある」と発言しました。これに抗議した米企業トップが相次いで製造業評議会と戦略・政策評議会の委員を辞任し、この2つの助言組織は8月16日に解散しました。米トランプ政権の混乱が続いた場合、市場の警戒感も次第に強まる恐れがあり、注意が必要です。

米予算審議は遅れる見通しとなり、米景気対策の時期と規模、経済成長の見通しを下方修正

一方、米議会では、18年度予算と米債務上限の引き上げが、差し迫った問題となっています。18年度の予算決議案は、9月までに審議が終わる公算は小さく、10月の新年度度入り後は、暫定予算でつなぐことになると思われます。また債務上限引き上げ法案の可決には、上院では60票が必要ですが、共和党の上院議席数は52です。ただ最終的には民主党が協力し、米国債の債務不履行(デフォルト)は回避されるとみています。

これらを勘案し、弊社では米景気対策が始まる時期を2017年10-12月期から2018年1-3月期に変更しました。また、景気対策の規模も、当初想定(減税は10年間で2.4兆ドル、インフラ投資は5年間で2,750億ドル)の半分程度にとどまるとの見方に変更しました(図表2)。その結果、米実質GDP成長率の見通しは、2017年を前年比+2.2%から+2.1%へ、2018年を同+2.4%から+2.3%へ、それぞれ小幅に下方修正しました。

ただ最終的に景気対策は実施され債務上限は引き上げへ、株式など弱気相場入りは想定せず

ここ数日、米国市場では、主要株価指数の下落、国債利回りの低下、対主要通貨での米ドルの下落、という反応がみられます。これは、「米トランプ政権の混乱」→「減税など米景気対策の遅れ」→「米経済成長の鈍化」、をとりあえず一気に織り込んだリスクオフ(回避)の動きであり、米トランプ政権の異常事態を目の当たりにすれば、極めて合理的な市場の反応と思われます。

なお、コーン国家経済会議(NEC)委員長や、ムニューシン財務長官は政権にとどまる見通しです。また、共和党は来年の中間選挙をにらみ、多少規模を縮小しても、景気対策を打ち出すと思われます。そして債務上限問題は、議会自らがデフォルトを選択しない限り、上限引き上げでの解決が見込まれます。市場の警戒感はしばらく残る可能性はありますが、株式などが弱気相場入りする展開は、現時点で想定していません。

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