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市川レポート

REPORT

【No.493】シリア情勢が緊迫化した場合の心構え

2018年04月13日

●昨年4月の米軍事介入は1回のみの巡航ミサイル発射にとどまり、リスクオフの反応は限定的だった。
●今回は米国だけでなく、英国なども軍事行動の可能性、背景はアサド政権支援のロシアとの対立。
●軍事行動が短期的かつ局地的であれば、今回も市場のリスクオフの反応は一時的なものとなろう。

昨年4月の米軍事介入は1回のみの巡航ミサイル発射にとどまり、リスクオフの反応は限定的だった

トランプ米政権は、シリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑を受け、今週に入り英仏などと軍事行動に向けた準備を進めていました。しかしながら、ホワイトハウスは4月12日、化学兵器使用に関し、情報の精査を継続するとして、軍事行動の判断を先送りしました。トランプ米大統領も同日、攻撃はすぐかもしれないし、すぐではないかもしれないと述べ、市場ではシリア情勢の緊迫化に対する警戒がいったん和らぎました。

ただ、判断が先送りされたということだけで、シリア情勢を楽観することはできません。そこで以下、米国が軍事行動に踏み切った場合の市場への影響について、考え方をまとめてみたいと思います。米国は2017年4月、シリアのシャイラート空軍基地に対し巡航ミサイルを発射しました。ただ、攻撃は1回のみにとどまり、軍事行動の拡大はみられなかったため、市場のリスクオフの反応は限定的なものとなりました(図表1)。

今回は米国だけでなく、英国なども軍事行動の可能性、背景はアサド政権支援のロシアとの対立

今回は、米国だけでなく英国なども軍事行動に加わる可能性があります。背景にあるのは、欧米諸国と、アサド政権を支援するロシアとの対立です。英国では3月に元ロシア情報機関員の殺人未遂事件が発生しましたが、欧米諸国はこの事件にロシアが関与していると断定し、ロシア外交官を国外追放しました。ロシア側も対抗措置に動いており、対立が深まっています。

このような状況下、米国や英国などはシリアへの軍事行動に踏み切ることにより、協調してロシアへの圧力を強めることができます。また、トランプ米大統領には、ロシアを強くけん制することで、自身とロシアの不透明な関係を巡る「ロシアゲート」疑惑を払拭する狙いもあるように思われます。したがって、シリアが化学兵器を使用したという証拠が確認された時点で、軍事行動の決断が下される公算が大きいと考えます。

軍事行動が短期的かつ局地的であれば、今回も市場のリスクオフの反応は一時的なものとなろう

仮に、トランプ米政権が軍事行動を起こした場合、それがどのようなものになるのか、一般に報道されている情報に基づいて推測してみます。軍事行動については、アサド政権の抑止とロシアに対するけん制を念頭に置き、(1)米英仏の共同軍事行動という形で、(2)ミサイル攻撃(今回は数日間にわたる可能性)を中心に地上軍は投入せず、(3)戦闘の長期化とロシア軍との交戦は避ける、とみています。

さて、地政学リスクなど、市場で予期せぬ悪材料が発生した場合、確認すべきは次の3点です。すなわち、「金融システムへの影響」、「流動性への影響」、「他国・他地域への影響」です(図表2)。今回のシリア情勢をこれに当てはめた場合、前述の推測通り、軍事行動が短期的かつ局地的であれば、3点とも問題なしと判断できます。したがって、シリアへの軍事行動で市場がリスクオフに傾いても、それは一時的なものとなる可能性が高いと考えます。

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