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市川レポート

REPORT

【No.496】朝鮮半島情勢~今後の焦点

2018年04月23日

●北朝鮮は新方針で核開発の看板を外し融和姿勢を演出する一方、核保有国であることを示唆。
●G7外相は核放棄に言及していない北朝鮮に対し、非核化に向けて圧力を維持する方針で一致。
●市場の反応は現時点で限定的、今後は北朝鮮が核放棄の道筋を明確に示すか否かが焦点に。

北朝鮮は新方針で核開発の看板を外し融和姿勢を演出する一方、核保有国であることを示唆

北朝鮮の金正恩委員長は4月20日、朝鮮労働党の中央委員会総会で、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止すると発表しました(図表1)。北朝鮮は2013年3月から「核開発と経済建設の並進路線」を基本方針としてきましたが、20日の総会では「強力な社会主義経済を建設する」という新しい方針が打ち出され、「核開発」の看板が外れました。

北朝鮮が基本方針を修正した理由として、次の2つが考えられます。1つは、4月27日に南北首脳会談を控え、また、6月初めまでに米朝首脳会談が予定されるなか、「融和姿勢」を演出するためです。もう1つは、核兵器開発を終えたので、実験を中止して実験場も廃棄すると表明することにより、北朝鮮が「核保有国」であることを国際社会に対して示唆するためです。

G7外相は核放棄に言及していない北朝鮮に対し、非核化に向けて圧力を維持する方針で一致

しかしながら、北朝鮮は核放棄については言及していません。トランプ米大統領は4月20日、北朝鮮による核実験停止などの決定を受け、「大きな進展だ」との評価をツイッターに投稿しました。しかしながら、トランプ米大統領は4月22日の投稿で、「北朝鮮については、何の結論にも至っていない」、「上手くいくか、そうでないかは、時間が経ってみないと分からない」と述べ、慎重な姿勢を示しました。

安倍首相も4月21日、今回の北朝鮮の決定は前向きな動きと述べたものの、非核化まで圧力を維持する考え方を表明しました。また、カナダのトロントで4月22日に開幕した主要7カ国(G7)外相会合では、北朝鮮情勢について討議が行われました。河野太郎外相が記者団に明らかにしたところによると、核武装した北朝鮮は認められず、非核化に向けて最大限の圧力を維持する方針で一致したとのことです。

市場の反応は現時点で限定的、今後は北朝鮮が核放棄の道筋を明確に示すか否かが焦点に

北朝鮮による核実験停止などの決定に対し、週明け日本市場の反応は限定的でした。ドル円は日本時間の朝方、1ドル=107円89銭近くまでドル高・円安が進行しましたが、その後は107円台後半で膠着感を強めました。一方、株式市場に目を向けると、日経平均株価は寄り付き後に一時22,200円台を回復したものの、その後は売りに押される展開となっています(図表2)。

米国は北朝鮮に対し、「完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄(CVID, Complete Verifiable Irreversible Dismantlement)」を求めており、経済制裁の解除はその後という立場をとっています。したがって、今後は北朝鮮が南北首脳会談や米朝首脳会談において、核放棄の道筋を明確に示すか否かが焦点となります。市場も、北朝鮮の非核化の実現性が高まらない限り、楽観的な反応は示しにくいと思われます。

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