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市川レポート

REPORT

【No.529】米中貿易摩擦問題~今後の焦点

2018年07月11日

●米国は自国の関税引き上げに中国が対抗すれば更に5,000億ドルの制裁関税を発動する構え。
●実際、米国は早々に2,000億ドル分の中国製品に対する関税リストを公表、市場はリスクオフに。
●現実路線の協議継続を予想するが、11月まで難航の恐れもあり、市場に一定の警戒感は残ろう。

米国は自国の関税引き上げに中国が対抗すれば更に5,000億ドルの制裁関税を発動する構え

トランプ米政権は7月6日、知的財産侵害に対する制裁として、340億ドル分の中国製品に追加関税を課しました。これを受け、中国も直ちに同規模の報復関税発動に踏み切りました。もともと米中両国は、計500億ドル分の関税引き上げを表明しており、今回はその一部を実施した形になります。残りの160億ドル分について、トランプ米大統領は7月5日、今後2週間での発動を示唆しました。

仮に、今後2週間で米国が160億ドル分の関税引き上げを実施した場合、中国も同額の引き上げを実施することになります。これについて、トランプ米大統領は7月5日、中国が報復すれば追加措置をとり、500億ドルに加えて2,000億ドル、次に3,000億ドルの制裁関税を準備していると述べました。これらを合計すると、5,500億ドルになり、2017年の中国からの輸入額(約5,100億ドル)を超えることになります。

実際、米国は早々に2,000億ドル分の中国製品に対する関税リストを公表、市場はリスクオフに

米中貿易摩擦問題に関する今後の焦点は、トランプ米政権が2,000億ドルや3,000億ドルという巨額の制裁関税を、本気で発動するか否かです。現時点では、トランプ米政権側に手を緩める様子はみられず、むしろ一層、強気に傾いているように思われます。実際、日本時間7月11日の朝方、米通商代表部(USTR)は、2,000億ドル分の中国製品に対する関税リストを公表しました(図表1)。

追加制裁で関税を10%上乗せする中国製品は約6,000品目で、水産物、農産物、衣料品など、一般消費財が広く含まれます。8月までに一般から意見を受け付け、発動までには少なくとも2カ月はかかる見通しです。関税リストの公表を受け、ドル円は日本時間の早朝、1ドル=111円台前半から110円台後半までドル安・円高が進み、日経平均株価は22,000円を割り込むなど、市場でリスクオフ(回避)の動きが目立ちました。

現実路線の協議継続を予想するが、11月まで難航の恐れもあり、市場に一定の警戒感は残ろう

7月6日に、米国が340億ドル分の制裁関税を発動した後、市場はいったん落ち着きを取り戻したようにみえましたが、依然として米中貿易摩擦問題に振り回される状況が続いています。また、今回USTRが関税リストを公表したことで、今度は中国の反応に市場の注目が集まります。なお、米国が2,000億ドル分の制裁関税を実施した場合、米国経済にも若干の影響が予想されます(図表2)。

基本的に、米中両国に経済を犠牲にしてまで貿易戦争を仕掛ける意図はありません。そのため、貿易摩擦問題については、協議が難航すれば、自国経済に大きな影響が出ない程度に関税を引き上げて、協議を継続し、現実的な落としどころをみつけていくという展開を引き続き見込んでいます。ただ、11月の米中間選挙まで、協議が平行線をたどることも想定され、市場に一定の警戒感がしばらく残る公算が大きいと考えます。

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