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市川レポート

REPORT

【No.532】米中貿易摩擦問題に対する市場の評価

2018年07月18日

●3月22日以降米中の対立は激化、ただ現時点で両国とも340億ドルの制裁関税発動にとどまる。
●この間の米国市場はリスクオン、中国市場はリスクオフの動き、資源関連やアジア通貨は下落した。
●米中貿易摩擦問題に対する市場の評価は、「動向を注視しつつ、冷静な対応が可能」というもの。

3月22日以降米中の対立は激化、ただ現時点で両国とも340億ドルの制裁関税発動にとどまる

今回のレポートでは、米中貿易摩擦問題に対する市場の反応を検証し、市場がこの問題をどう評価しているかについて考えます。トランプ米大統領は3月22日、米通商代表部(USTR)の報告を受け、通商法301条に基づき中国製品に制裁関税を課す大統領令に署名しました。その後、米国が6月15日に500億ドル分の中国製品に25%の追加関税を課す方針を発表すると、中国はその翌日、500億ドル分の報復関税案を発表しました。

これに対し、トランプ米大統領は6月18日、10%の追加関税を課すため、2,000億ドル相当の中国製品を特定するようUSTRに指示しました。USTRは7月10日に製品リストを公表しましたが、これに対抗する動きは中国側にみられません。そのため、現時点では、米中両国とも7月6日に500億ドル分のうち340億ドルの制裁関税を発動したにとどまっています。

この間の米国市場はリスクオン、中国市場はリスクオフの動き、資源関連やアジア通貨は下落した

次に、米中の対立が激化するなかで、金融市場はどのように反応したのか、確認してみます。トランプ米大統領が対中制裁を課す大統領令に署名した3月22日から、7月17日までの間、米国では、株高・債券安(利回り上昇)・米ドル高という動きがみられました。一方、中国ではこれとは対照的に、株安・債券高(利回り低下)・人民元安の流れになりました(図表1)。

また、商品市場では、中国鉄鉱石(鉄分62%粉鉱石)のスポット価格や、ロンドン金属取引所(LME)で取引されている6種類の工業用金属で構成されるLMEX指数が下落しました。為替市場では、鉄鉱石価格やLMEX指数の下げを受け、資源国通貨の下落が目立ちました(図表2)。さらに、人民元が軟調に推移したことから、アジア通貨が連れ安の展開となりました。

米中貿易摩擦問題に対する市場の評価は、「動向を注視しつつ、冷静な対応が可能」というもの

以上より、市場は貿易摩擦の影響を、次のように解釈していると思われます。すなわち、①米国経済は減税などで好調、相対的に中国経済がマイナスの影響を受けやすい(よって米国株高、中国株安)、②中国の経済成長が減速すれば、資源需要が低迷する恐れがある(よって商品価格や資源国通貨の下落)、③中国経済の変調がアジア諸国に波及することも想定される(よってアジア通貨の下落)、という見方です。

なお、3月22日から7月17日の間、日本では日経平均株価と10年国債利回りが上昇し、ドル高・円安が進行しました。このように、米中貿易摩擦問題に対する市場の反応は、国や地域、資産クラスでかなり異なりますが、少なくとも悲観一色ではありません。そのため、この問題に対する市場の評価は、「動向を注視しつつ、冷静な対応が可能」というものだと思われます。

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