ホームマーケットなるほど!ザ・ファンド【Vol.194】様々なモノやサービスの値上がりを身近に感じるけど、物価は実際どのくらい上がってきているの?

【Vol.194】様々なモノやサービスの値上がりを身近に感じるけど、物価は実際どのくらい上がってきているの?

2024年1月30日

消費者物価指数の上昇率は約40年ぶりの高水準です。具体的な費目をみると、2023年は身近な食料などを中心に幅広くモノやサービスの価格が上昇しました。

◆2023年の消費者物価指数(生鮮食品除く総合、以下同)は前年比+3.1%の上昇となりました。これは1982年以来、実に約40年ぶりの水準です。日本銀行(以下、日銀)は、2013年に「2%の『物価安定の目標』」を掲げ、消費者物価指数の上昇率で同+2%をできるだけ早期に実現すると約束をしています。そのため、異次元の金融緩和ともいわれる、大規模な金融緩和政策が継続されてきました。
◆消費者物価指数は2020年、2021年にはいずれも同-0.2%と、前年比でマイナスが続くなど、デフレ傾向が続いていましたが、2022年はロシアによるウクライナ侵攻やコロナ禍からの経済再開に伴う需要の増加、輸入物価の上昇等によって同+2.3%となり、その後2023年にかけて2年連続で日銀の『物価安定の目標』を上回りました

◆消費者物価指数の上昇率を費目別に見ると、物価が下落していた2021年は、世界経済の回復による原油需要・価格の上昇等に伴い「光熱・水道」が上昇したほか、「家具・家事用品」、「教養娯楽」で上昇しましたが、いずれも前年比+2%以下でした。一方、2023年は、前年に大きく値上がりした電気・ガス代に対して政府の補助金が出されたことや、原油価格の下落などにより、「光熱・水道」が大幅に下落しました。しかし前年比で下落したのは「光熱・水道」の費目のみで、その他の全費目で指数が上昇しました。なかでも「食料」は同+8.1%、「家具・家事用品」は同+7.9%と大幅に上昇し、「教養娯楽」も同+4.3%と高い伸びとなりました。物価上昇は、生活に密着した費目を中心に様々なモノやサービスへと広がりをみせています

◆2024年1月に公表された日銀の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」では、消費者物価指数の日銀政策委員の見通し(中央値)は、2023年度は前年度比+2.8%、2024年度は同+2.4%、2025年度は同+1.8%となっています。日銀は、消費者物価の基調的な上昇率は、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率が高まるもとで、日銀の『物価安定の目標』に向けて徐々に高まっていくと考えており、今後も物価上昇は続くと見込まれます。

関連マーケットレポート

なるほど!ザ・ファンド
なるほど!ザ・ファンド