【キーワード No.245】民間企業の設備状況(日本)
平成22年2月5日
1.「民間企業の設備状況」を把握するための指標とは?
内閣府が四半期・暦年・年度ごとに公表する「民間企業資本ストック統計」があります。
この統計により、国内の民間企業が持つ機械やコンピューターなどの設備(有形固定資産)が、どの程度存在するかを把握することができます。
設備の状況を把握することは、日本がどの程度の潜在的な成長力を備えているかを測るためにも必要です。一国の経済の中長期的な『実力』を示す潜在的な成長力は、このほかに「労働力人口」や「人材や技術の水準」などの影響を受けます。
2.最近の動向
内閣府が3日に発表した「民間企業資本ストック統計」から、 2009年7-9月期において、民間企業が持つ設備が戦後初めて目減りしたことが分かりました。
企業の持つ設備を示す有形固定資産の総額は、前の期の資産総額に新規の設備投資額を加え、古くなった設備の目減り分となる除却額を差し引いて計算します。
2009年7-9月期の企業の固定資産総額は物価変動を除いた実質で1,204兆円(2000年基準)となり、前年同期を1兆6,500億円下回りました。前年同期比では0.1%減少となり、統計が始まった1955年以来、初のマイナスを記録しました。
これは、新規の設備投資額が16兆円と、前年同期に比べ22.1%減少し、除却額が投資額を上回ったことが主な要因です。
3.今後の展開
7-9月期の設備状況を産業別にみると、運輸・通信業が前年同期比9.0%減少と、7四半期連続で減少したことが目立ちます。また、卸売・小売業・サービス業などでも減少が続きました。一方、製造業や金融業・保険業などでは設備の総額が伸びました。製造業は新規の設備投資額が低迷しているものの投資の規模そのものが大きいことや、金融業・保険業は景気動向と設備投資の連動性が比較的小さいことなどがその背景にあると思われます。
今後、労働力人口の減少が見込まれる日本において、設備の減少が続いた場合、日本経済の潜在的な成長力が低下する可能性があります。日本経済が活力を失わないためには、生産性の向上につながる有効かつ継続的な設備投資が重要なポイントとなります。
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