【キーワード No.252】潜在的国民負担率(日本)
平成22年2月16日
1.「潜在的国民負担率」とは?
国民全体が得る所得の総額のことを「国民所得」と言います。この「国民所得」は、経済活動で生産された付加価値が配分されて個人や法人の所得となるため、一般的には、付加価値の総額と説明されることが多いです。
この「国民所得」に占める「税金」と「社会保障負担」の割合を『国民負担率』と言います。
そして、この『国民負担率』に、国と地方の「財政赤字」の国民所得に対する比率を加えたものを『潜在的国民負担率』と財務省は定義しています。
2.最近の動向
財務省は10日、国民所得に占める税金と社会保障負担の割合を示す国民負担率に、国と地方の財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」が2010年度は52.3%になる見通しであることを発表しました。
この52.3%という水準は、過去最悪となる2009年度補正後(実績見込み)の54.0%に次ぐ高いものです。
一方の「国民負担率」は、2009年度補正後と比べて0.2%増加の39.0%と、こちらも過去3番目となる高い水準です。
このうち、「社会保障負担率」は、同0.5%増加の17.5%と過去最高水準となります。
「社会保障負担率」が過去最高となる主な要因として、年金保険料の段階的な引き上げや中小企業のサラリーマンが加入する「全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)」の保険料引き上げなどが挙げられます。
一方、国税と地方税を合わせた「租税負担率」は景気悪化による課税収入の減少で、同0.3%減少の21.5%と3年連続の低下となります。
3.今後の展開
今回の財務省による発表内容から、少子高齢化に伴う社会保障費の増加に加え、税収の大幅な減少による財政悪化の進行による国民負担の急増が改めて懸念されます。
特に、国民の将来の生活に不安を与える「潜在的国民負担率の増加」を通じた所得の減少は、最終的に個人消費の抑制につながります。景気動向を大きく左右する「個人消費」を抑制する材料は、結局はその後の「潜在的国民負担率」を増加させることになることから、今こそ政治主導の抜本的な対策が求められます。
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