【キーワード No.688】この冬の「電力需給対策」(日本)
平成23年10月19日
1.この冬の「電力需給」の見込みは?
今年の夏は、原発停止による電力不足の影響から、政府は東京電力・東北電力管内の大口需要家に対して、15%の電力使用制限令を定めました。一般に電力需要が高まるのは冷房を伴う夏ですが、点検対象の原発が再稼動に踏み切れないなか、この冬も「電力需給」がひっ迫する可能性が出てきています。
2.最近の動向
この冬、「電力需給」がひっ迫する可能性が高い地域は、関西・四国・九州といった西日本、そして被災地の東北です。
西日本で需給のひっ迫感が強いのは、原発の依存度が高いからです。例えば関西地区は、発電能力の約4割が原発によるものですが、現在は11基中7基が停止状態です。原発再開のための「ストレステスト」の遅れから、再開の目処が立っていません。この冬は、1割弱程度の電力供給が不足する可能性が指摘されています。
また、東北地区では原発の停止に加え、7月末の豪雨で被害を受けた水力発電所の復旧が難航しています。現在、確保が見込める電力供給は、昨年の需要量の約9割です。
3.今後の展開
政府は現在、電力使用制限令の発動を避けるための調整を続けています。仮に発令された場合には、経済活動の停滞を通じて、景気の下押し要因になりかねないからです。そこで政府が注目しているのは、一般家庭の協力です。今年の夏の節電は、一般家庭の積極的な協力に支えられました。そこで政府は、この冬の対策として、一般家庭の節電目標を高めに設定して、民間企業の目標を低めに設定。民間企業の中でも、工場の目標を抑えつつ、オフィスビルを高くする方向で検討を進めています。
実際に、一般家庭の多くは、この冬に向けた準備を既に進めています。電気のいらない石油ストーブや、電力使用の少ない電気カーペットなど、節電対応が可能な暖房器具の販売が大きく伸びているのです。
政府は今月中にも、この冬の「電力需給対策」をまとめる方針です。政府・企業・家庭には、今年の夏の経験を活かし、経済活動の過剰な制限は避けながらも、電力需給を安定させるバランスの良い節電が求められそうです。
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