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「2022年冬季オリンピック」は北京で開催(中国)【キーワード】

2015年8月6日

<今日のキーワード>
「2022年の冬季オリンピック」は北京で開催することが決まりました。夏と冬のオリンピックを開催する都市は史上初です。スケート競技は北京市内で、ジャンプ競技などは北京から北西に約160キロメートル離れた河北省の張家口市で行う計画です。国威発揚だけでなく、中国のウィンタースポーツの普及拡大、北京・天津・河北の首都圏一体開発の加速などの経済効果が期待されます。

【ポイント1】北京は財政力や運営能力が評価される

2022年の春節期間中に開催
■7月31日に開催された国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、2022年の冬季オリンピックの北京開催が決まりました。財政力や運営能力への評価などから北京は44票獲得し、雪が豊富なカザフスタンのアルマトイの40票を僅差で上回りました。

■立候補に際して提出した資料では、2022年2月4日(金)に開会式、同月20日(日)に閉会式と春節休暇中の開催が予定されています。チケットの値段は最低が50元(約1,000円)、最高が4,882元(約98千円)と青少年の観戦が可能となるよう最低金額は比較的低く設定されることが特徴です。

【ポイント2】懸念は雪不足

北京-張家口間に鉄道と道路を新設
■最大の懸念は、雪不足で、人工降雪機に頼らざるを得ないと言われています。これに対し中国は、張家口市崇礼地区の積雪の厚さはスキー競技開催に十分な1メートルに例年達し、また、隣接して建設を進めるダムでは人工雪を作るのに十分な量の水を確保できる、と説明しています。

■北京-張家口間に、高速鉄道と高速道路が新設される予定です。高速鉄道では1時間以内の移動が可能となることから、移動の問題への懸念は解決されると見られます。

【今後の展開】ウィンタースポーツ普及はビジネスチャンス、首都圏一帯開発は加速へ

■ウィンタースポーツの普及が今後の課題
中国では、スケートはある程度普及しているものの、スキーやスノーボード人口はまだ少なく、 2022年に向けてウィンタースポーツの普及拡大が課題です。また、オリンピックで開催する102種目のうち、中国では現在72種目しか実施されていないとされ、早期の選手育成も課題と見られます。

■オリンピック開催で、首都圏一帯開発は加速へ
オリンピック開催は、北京・天津・河北の首都圏一帯開発に追い風です。北京の首都機能を河北省に分散し、天津の港湾機能拡充により貿易振興を図り、首都圏を東岸地域に匹敵する一大経済圏とする構想が進められています。財政措置の拡大も期待され、首都圏一体開発の加速が期待されます。

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