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「Brexit」英国のEU離脱(欧州)

2016年4月21日

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「Brexit(ブリグジット)」とは、英国と離脱を組み合わせた造語です。6月23日に欧州連合(EU)に残留するか離脱するかを問う国民投票が行われる予定です。世論調査は依然として「EU残留」と「EU離脱」が同程度の割合と、予断を許さない状態が続く見通しです。

【ポイント1】EU残留、離脱を問う国民投票は6月23日

金融と主権で合意を引き出すも、移民制限は不十分との声

■「Brexit」とは、「英国(Britain)」がEUから「離脱(Exit)」することを意味する造語です。英国では、EU域内からの移民の増加やユーロ危機に非ユーロ加盟国の英国が巻き込まれたことなどを理由にEU離脱論が高まっています。2月のEU首脳会議で、英国は、①ユーロ圏の金融危機時の対応としてユーロ不参加の国に財政負担が生じない、②EUの政治など統合深化から英国を除外する、などの合意をEU側から引き出しました。一方、移民の制限等については英国の要求水準は満たされず、交渉は不十分だったとされました。

■キャメロン首相は、この合意内容をベースに、英国のEU残留、離脱の是非を問う国民投票を6月23日に実施すると表明しました。

【ポイント2】残留、離脱はほぼ拮抗

キャメロン首相の支持率が低下

■国民投票を決断した後、キャメロン首相が国民にEU残留への働きかけを行った結果、3月の世論調査では「EU残留-EU離脱」が3%と0%を上回り、残留がわずかに優位となりました。

■4月に入ると同比率は1%に低下し、残留、離脱はほぼ拮抗する状態となりました。背景には、パナマ文書をきっかけにキャメロン首相の租税政策に対する国民の不信が加わった可能性があります。

【今後の展開】金融市場は引き続き不安定な動きが続く

■調査会社ユーガブ(YouGov)によれば、キャメロン首相の支持率は2月12日の39%から4月7日には34%に低下しました。キャメロン首相の支持率の低下は、残留を支持する財界や金融業界にとっても頭の痛い話です。足元の英ポンドの推移は比較的冷静に推移していますが、「Brexit」(英国のEU離脱)の可能性は投票日ぎりぎりまで続く可能性があり、金融市場も不安定な動きが続くと考えられます。

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