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来春に控えた「フランス大統領選挙」(欧州) 【キーワード】

2016年11月29日

<今日のキーワード>
フランス大統領は任期5年で、現在は2012年から与党・社会党のオランド氏が務めています。次回の「フランス大統領選挙」は、来年4月23日に第一回投票、5月7日に第二回投票が予定されています。また、大統領選挙後の6月にはフランス上・下院の選挙が控えています。現職のオランド大統領の支持率が低下する中、極右政党のルペン氏が支持を伸ばしており、今後の展開が注目されます。

【ポイント1】現職オランド大統領の続投は困難

野党・共和党の予備選ではフィヨン氏が大勝

■フランスでは、来年4月、5月に大統領選挙が予定されています。与党・社会党のオランド大統領は、経済対策等の効果が見られないことなどから支持率が低迷し、直近の世論調査では4%と過去最低水準にまで落ち込んでいます。こうした中、オランド大統領の続投は困難と見られます。

■一方、野党を見ると、11月20日と27日に前大統領サルコジ氏が属する中道右派・共和党が予備選を実施しました。第一回、第二回の投票とも、政治・社会面では保守的、経済面ではリベラルなフィヨン氏(サルコジ大統領時代の首相)が、2位のジュペ氏(シラク大統領時代の首相)を大きく引き離して勝利しました。

【ポイント2】トランプ次期米大統領選出で注目される国民戦線

国民投票の実施を掲げ、EU離脱が懸念される

■前回2012年の大統領選挙以降、極右・国民戦線(FN)のルペン党首も支持を伸ばしてきています。FNは、反自由貿易協定や反移民、反イスラムなどを唱えています。米国でトランプ次期大統領が選出されたことからも、同様の政策を掲げるFNは注目されています。またFNは、EU離脱やユーロ離脱・フランスフランの導入等を挙げ、国民投票の実施を掲げています。このため、ルペン氏が大統領選に勝利すると、フランスのEU・ユーロ離脱への懸念が高まりそうです。

【今後の展開】与党の巻き返しは困難か、フィヨン氏とルペン氏の戦いとなりそう

■与党・社会党は、来年1月に予備選を実施する予定ですが、オランド大統領が立候補するか注目されています。ただし、足元までの政権運営を見ると、今後与党の巻き返しは難しいと見られます。このため、来年の大統領選挙は共和党・フィヨン氏とFNのルペン氏による戦いとなりそうです。英国のEU離脱選択は今年の大きなキーワードの1つとなりましたが、今後欧州でこうした流れが強まるのか、「フランス大統領選挙」にも注目です。

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