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クルマの「自動運転」は今後どうなる?(日本) 【キーワード】

2016年7月4日

<今日のキーワード>
旅客機にはオートパイロット機能が搭載されており、通常の環境下では、殆どパイロットが操縦かんを握ることなく航空機が運航できます。エレクトロニクス技術の進歩と部品のコストダウンにより、自動車の世界でも、ADAS(先進運転者支援システム)が、急速に普及してきました。将来はさらに進歩して、「自動運転」が可能となる見通しです。自動車の新たな付加価値となるため、世界中の自動車メーカーが研究にしのぎを削っています。

【ポイント1】自動ブレーキや車線維持装置などが普及中

ドライバーの負担軽減や事故防止のみならず燃費向上や渋滞解消効果も

■すでに現在の市販車には衝突防止用の自動ブレーキ、車線維持装置、速度維持装置、駐車支援システムなどの装着が進んできています。これらの装置やシステムはADAS(先進運転者支援システム)と呼ばれます。ADASは事故防止は勿論、ドライバーの疲労軽減に大きな効果があるだけではなく、燃費が向上したり、高速道路の渋滞解消などの副次的効果も期待できます。社会的にも極めて貢献が高い技術革新と言えます。

【ポイント2】今後は「半自動運転」が可能に

2020年頃には導入か

■今後は、前述の装置やシステムに加え、車間距離制御、合分流支援、右左折支援などの機能も付加される見込みです。これらの装置やシステムは、便利ですが、いずれも最終的な責任は運転者にあるのが特徴です。

■今後は、これらの機能を複合的に組み合わせたシステムで、特定の環境下で、「半自動運転」が可能となると思われます。例えば高速道路で、運転者がハンドルを握らなくとも、走行ができるようになる可能性があります。また、駐車場エリアでは、運転者が車を離れてスマートフォンなどで、車を自動的に駐車させるシステムの研究も進んでいます。

【今後の展開】完全な「自動運転」の実現は2025年以降か

「半自動運転」への移行には、法制度の変更が必要になると見られています。また、「半自動運転」以降の装置に関しては、最終的な責任が運転者ではなく、自動車やシステム側に代わっていく可能性もあります。

その後は、「自動運転」への移行が最終段階となります。行き先を入力すれば、運転手がいなくても自動的に目的地に到着できる究極のシステムです。
米国のグーグル社などが実用化に向けた実験を行っていますが、「自動運転」にはセンサーやカメラ類が大量に必要となるうえ、3次元地図データやインターネット接続、高性能な車載コンピューターなども不可欠となるため、その普及のハードルは高くなります。セキュリティーの問題も極めて重要です。このため「自動運転」の導入は、早くとも2025年以降となりそうです。

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