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着実に進む「自動運転車」の普及(日本)【キーワード】

2017年2月22日

<今日のキーワード>
AI(人工知能)が産業界や私たちの生活で存在感を増すなか、その代表格である「自動運転車」の普及が進んでいます。現在は、運転席にドライバーがいる状態(有人)で、加速・操舵・制御のうちいずれか、もしくは複数をシステムが行う「自動運転車」が普及しています。今後は一段と進化し、無人の「自動運転車」の実証実験や法整備が進められていく見込みです。

【ポイント1】高速道路での隊列走行で、物流の効率化を図る

2022年度以降、「自動運転車」の東京~大阪間での事業化が見込まれる

■2月16日、政府による第5回未来投資会議が開催されました。今会議のテーマの1つは、高速道路でのトラックの隊列走行です。物流業界ではドライバーが不足しており、これに対応する物流の効率化が目指されています。具体的には、先頭車は有人でドライバーが運転し、後続は無人の「自動運転車」が追走します。

■今後は2018年1月から、まずは全ての車両に人が乗った実証実験が新東名高速道路において始められる予定となっています。そして2019年1月からは、後続車を無人の「自動運転車」に切り替えていき、2022年度には東京~大阪間での事業化が進められていく見込みです。

【ポイント2】「自動運転車」で過疎地での移動支援

2017年度から実証実験スタート

■今会議でもう1つテーマとなったのが、電車やバスの路線が廃止されるなどした過疎地での「自動運転車」による移動支援です。管制センターなどを設けて無人の「自動運転車」を遠隔操作し、道の駅などを拠点にして、住民が買い物や通院などに利用できるようにすることが目指されています。

■「自動運転車」による移動支援は、2017年度から沖縄県など全国10カ所以上のモデル地区で実証実験が始められる予定です。

【今後の展開】法整備を進め、2020年には無人の「自動運転車」が活躍する見込み

■「自動運転車」の事業化に向けては、関連法案の整備が必要となります。例えば、現行の道路交通法では、運転席に人が乗り、運転手が事故の責任を負うことが前提となっているため、「自動運転車」普及のためには、「自動運転車」の認定や事故が起きた際の責任の所在などについて新たに定める必要があります。政府のIT総合戦略本部などは、2017年度中に必要な法体系を明確にして、2018年中にこれらをまとめ、2019年の通常国会での法案提出を目指すと見られます。安倍首相は今会議で、「2020年までに運転手が乗車しない自動走行によって地域の人手不足や移動弱者を解消する」と表明しました。運転席が無人であることを見慣れない人も多いなか、無人の「自動運転車」が実生活で活躍する日が着実に近づいています。

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