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『配当政策』はどう変わった?~「配当」③~【キーワード】

2017年9月15日

<今日のキーワード>
株式投資からの収益には、株価の値上がりや値下がりによる変動に伴って生じる利益と、投資した企業から受け取る「配当」があります。これまでマーケット・キーワードでは、「配当」がどう決まるのかと「配当」がなぜ大事かについてまとめました。今回は、「配当」に焦点を当てたレポートの第3回目で、『配当政策』がどのように変化してきたかなどを見ていきましょう。

【ポイント1】『配当政策』って何?

企業の株主に対する利益分配の方針

■『配当政策』とは、企業が利益を分配するにあたって、純利益のどの程度を株主に分配するかについて、企業が採用する方針です。その比率を配当性向と言い、それに自社株買いを加えたのが総還元性向です。これらは株主への利益還元を図る指標です。配当性向は成長企業は低く、成熟企業は高い傾向があります。

【ポイント2】『配当政策』はどう変わった?

安定分配から利益分配重視に変化

■国内企業の『配当政策』は長期的視点から企業主導で決定され、欧米に比べて安定重視、低配当性向・低配当利回りという傾向が続いてきました。

■配当性向、配当利回りは利益急減時や株式市場急落時に高くなる傾向があり、リーマンショックのあった2008年度時には配当性向(赤字企業は除く)、配当利回りが前年度の2倍以上に高まりました。

■リーマンショックを境に企業の『配当政策』は変化してきました。株主や株価などへの考慮が高まり、分配も利益との連動性の高い利益分配重視に変化してきました。これは日本の企業間の株式持ち合いが減少する一方、外国人投資家の比率が上昇したことや、企業や国内の投資家も『配当政策』への注目を高めたことによります。

【今後の展開】『配当政策』への注目は更に高まる方向

■配当利回りはリーマンショック前の1%程度から2%程度に上昇、配当性向は30%程度とあまり変化はありませんが、総還元性向は40%超が定着してきました。また総還元性向を100%程度まで高める企業も見られるなど企業間の『配当政策』の違いが拡大しています。企業は2015年6月に適用された「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」により株主との対話が求められており、各企業の『配当政策』への注目は更に高まると見られます。

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