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日本の『消費動向』、賃上げがカギに【キーワード】

2018年1月30日

<今日のキーワード>
日本百貨店協会によると、2017年年間の全国百貨店売上は前年比0.1%増加となりました。前年比で増加するのは3年ぶりで、国内の『消費動向』には回復が見られるようになっています。また、天候に恵まれて好調だった今年の初売りでは、特別な日にぜいたくをして楽しむといった「コト」消費が増加しました。今後の更なる消費回復を後押しするには、賃上げが実現するかがカギとなりそうです。

【ポイント1】百貨店売上は前年から増加

インバウンド消費は好調を維持

■12月の全国百貨店売上高は、前年同月比で0.6%減少しました。株高による資産効果で高額商品やインバウンド消費のほか、年末商戦が好調だったものの、主力の衣料品や食料品が前年よりも減少したためです。一方で、年間の売上高は、0.1%の増加と、3年ぶりに前年比増加となり、回復傾向は続いています。

■12月のインバウンド消費は前年同月比で45.0%増加の279億円となり、過去2番目に高い売上高でした。年間累計では前年比46.3%増加の2,704億円と、2年ぶりに過去最高を更新しました。2017年の外国人観光客数は年間で過去最高を更新しており、今後もインバウンド消費の増加が期待されます。

【ポイント2】年始の売上は好調

「体験型」の福袋が増加

■今年は天候に恵まれたこともあり、初売りは好調でした。おせち料理や従来の福袋の売上が好調だったほか、今年の初売りの特徴は、「体験型」の福袋が増えたことです。大相撲観戦やクルーザー乗船体験など、「コト」消費を意識した商品を各社強化し、特別な日にはぜいたくをして楽しむといった消費傾向がより強く見られました。

■12月の『消費動向』調査によると、消費者態度指数は前月から低下したものの、低下は小幅で消費者マインドはなお堅調な水準にあると考えられます。

【今後の展開】賃上げが消費増へつながることを期待

■今後さらに消費回復が持続するためには、賃上げがポイントとなります。日本の雇用環境は改善が続いており、有効求人倍率は約44年ぶりの高水準にあります。人手不足が深刻化するなど労働市場の需給はひっ迫しており、賃上げのタイミングに来ていると考えられます。

■安倍首相が経済界へ賃上げを要請する春闘は今年で5年目となります。今年は、「3%の賃上げ」を要請しており、その実現が焦点となっています。好調な企業業績が賃上げの実現につながり、さらに個人消費の増加へとつながっていくことが、今後期待されます。

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