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米大統領選挙、「揺れる州」の動向は?(米国) 【キーワード】

2016年10月31日

<今日のキーワード>
米国の大統領選挙では、伝統的に北東部やカリフォルニア州が民主党の地盤、中西部や南部が共和党の地盤といわれます。「揺れる州」(スイング・ステート)とは、どちらの地盤ともいえず、選挙のたびに勝利政党がかわる州のことです。州ごとに投票し、1票でも多く獲得した候補者がその州に割当てられた選挙人を総取りする米国の大統領選挙では、「揺れる州」をいかに制するかが焦点となります。

【ポイント1】クリントン候補の支持率がトランプ候補を上回る

トランプ候補の支持率は下降線

■調査会社RealClear Politics(RCP)社が集計した支持率を見ると、10月26日現在でクリントン大統領候補は48.5%、トランプ候補が42.8%でした。 民主党の大統領候補がクリントン氏に正式決定した7月28日の時点では、トランプ候補が45.6%とクリントン候補の44.7%を上回っていましたが、トランプ候補の支持率はこの時がほぼピークでした(トランプ候補の支持率のピークは7月27日の45.7%)。

【ポイント2】選挙人獲得見込み数ではクリントン候補が圧倒的に優勢

トランプ候補の勝利には「揺れる州」の多くを制する必要

■勝者がその州の選挙人を総取りする方式では、米国全体の支持率よりも、州ごとの動向が重要になります。そこでRCP社が集計した各州の想定選挙人獲得数を見ると、10月26日現在でクリントン候補は全体538名の選挙人のうち252名、46.8%でした。一方、トランプ候補は126名、23.4%でした。

■両候補とも選挙人の獲得を確かにできていない、いわゆる「揺れる州」は大票田のテキサス州(選挙人数:38名)、フロリダ州(同29名)、ペンシルべニア州(同20名)など10州です。クリントン候補があと18名の選挙人を獲得すれば過半数の270名に到達するのに対し、トランプ候補が大統領選を制するには、「揺れる州」の過半の州で勝利しなければなりません。

【今後の展開】クリントン候補勝利でも、議会のねじれ現象は継続へ

■現時点での情勢を客観的に判断すれば、トランプ候補の逆転は難しく、次期大統領はクリントン氏になる可能性が高いと見られます。

■ただし、議会選挙では、民主党が下院で過半数を獲得することは難しく、上院の民主党優位、下院の共和党優位という「ねじれ」は継続する見通しです。

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