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パウエル『次期FRB議長』ってどんな人?【キーワード】

2017年11月6日

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米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、2018年2月に4年間の任期を終えます。その後任として、トランプ大統領はパウエル現FRB理事を指名しました。同氏は議会の承認を経て2018年2月に議長に就任します。FRBは金融政策を通じて、米国経済のみならず世界経済に大きな影響を及ぼします。『次期FRB議長』の金融政策への姿勢が注目されますが、現時点ではイエレン議長の路線を踏襲する見通しです。

【ポイント1】『次期FRB議長』にパウエルFRB理事が昇格

イエレン現FRB議長の任期は僅か1期4年で終了

■現地時間11月2日に、トランプ米大統領は、2018年2月で任期の切れるイエレンFRB議長の後任にパウエルFRB理事を指名しました。

■イエレン議長は、僅か1期4年でFRB議長の職を辞することになりました。ウィリアム・ミラー議長(在任期間1978年3月~1979年8月)、トマス・マッケーブ議長(同1948年4月~1951年3月)に次ぐ、歴代3番目の短命議長となります。

【ポイント2】『次期FRB議長』は法律の専門家

約40年ぶりに経済学博士号非保有のFRB議長が誕生

■パウエル氏は政治学や法律を専攻した弁護士で、投資銀行の共同経営者、ブッシュ(父)政権下での財務次官等の経験を有しています。FRB理事に任命されたのは2012年5月。以降FRBではロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の制度改革や金融決済制度の監視といった問題に取り組んできました。

■ちなみに、パウエル『次期FRB議長』は経済学博士号を持っていません。経済学博士号の非保有者がFRB議長になるのは、ポール・ボルカー氏以来約40年ぶりのことになります。

【今後の展開】金融政策については、イエレン路線を継承する見通し

■パウエル『次期FRB議長』は、金融規制の緩和に積極的です。しかし、イエレン議長に比べ金融政策運営の経験に乏しく、金融危機や景気後退といった難題に見舞われた場合に、きちんと対処できるか懸念される、との指摘もあります。

■金融政策に関しては、イエレン現FRB議長の路線、すなわち「緩やかなペースでの金融緩和の解除」を踏襲すると見られます。市場も、この点は織り込み済みであり、11月2日の『次期FRB議長』人事に関する報道への市場の反応は軽微なものにとどまりました。

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