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【マンスリー No.3】先月のマーケットの振り返り(2008年11月)

平成20年12月1日

1.概観

・金融システム不安の実体経済への影響から、金融市場は騰落の激しい展開が続きました。
・先進国の景気後退が懸念され、各国政府・中央銀行は景気対策と金融緩和を進めています。
・G20は格付け・信用デリバティブの監督強化、国際会計基準の見直しなどに合意しました。
・米国では、追加的な大型景気対策が2009年1月にも議会を通過する見込みです。
・企業業績の下方修正が相次ぐなか、株価は上値を抑えられやすく、円高圧力も残りました。
・景気悪化や物価上昇圧力低下から、利下げ見通しが強まり、債券需要が高まりました。
・資源や食糧価格は景気悪化に伴う需要低下観測が一段と進み、下落基調が継続しました。

11月の市場動向

(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

2.市場全体の振り返り

  11月は金融システム不安の実体経済への影響が懸念されて、騰落の激しい展開が続き、株価は上値が抑えられ、債券価格は一段と上昇(利回りは低下)、リスク回避的な投資行動と金利低下見通しから円高圧力が残りました。

 月初には、米大統領選挙および上下院選挙があり、民主党代表のオバマ氏が圧勝、民主党が大きく議席を伸ばし、上下院ともに過半数を占めました。しかし、米国の雇用に関する指標が大きく悪化したことを受け、株式市場は下落する展開となりました。国内でも代表的な輸出企業であるトヨタが業績を大幅に下方修正するなどしています。中国では総額4兆元(57.5兆円)という大型の景気刺激策が発表され、実質的な規模やその効果などが注目されています。
 月央には、金融サミットにおいて参加20カ国が、景気対策・金融緩和を進める姿勢や、格付け・信用デリバティブの監督強化、国際会計基準の見直し、保護主義のけん制などの合意に至りました。しかし、同会議で具体策は示されなかったと嫌気する向きや、米政府が金融安定化法で定めた7,000億ドルの公的資金枠の注入先をノンバンクにも拡大し、不良債権の買取には用いないと方針を転換したことなどもあり、株価は一段と下落しました。
 月末には、先進国の景気低迷が長引くとの見方や、原油価格の急落による物価上昇圧力の低下を受け、債券価格が大きく上昇(利回りは低下)しました。また、オバマ次期大統領の発言から1月にも大型の追加経済対策が実現するとの見方が広がったほか、FRBが最大8,000億ドルの金融対策を発表し、住宅ローン、証券化商品を買い入れると発表したことから市場に安心感が広がり、株価は若干持ち直す格好となりました。
 足許では、大量の雇用を抱えるビッグ3(米自動車大手三社)への公的支援について、米議会の議論が活発化していることに見られるように、消費の急速な弱含みから、自動車産業などに減速感が見えてきました。

3.11月の各市場の推移

■株式

(注)2008年10月末=100として指数化
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

■債券

(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

■為替

(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

4.マクロ・マーケットの主なニュース

(出所)各種報道・発表を基に三井住友アセットマネジメント作成

5.注目の経済指標

  11月には9月中旬に発生した金融システム不安の実体経済への波及から、各国で自動車をはじめとした大型耐久財の販売・輸出が低迷したほか、景気の先行きと相関の深い情報関連財の輸出入も低迷しました。
 日本を例に取ると、景気との相関性の高い情報関連財や、自動車関連財の輸出に明確な減少基調が見られています。自動車産業は関連業種を含めた際に全就業人口の約8%を占める基幹産業であり、同産業の不振が及ぼす雇用への悪影響が懸念されます。
 加工貿易の世界的な拠点である中国の場合は、輸出の鈍化だけでなく、生産に用いられる部品の輸入にも減速が見られ、輸出の先行きが懸念されています。 
 こうした結果は、米国をはじめとした先進国の消費活動の低迷が、国際貿易の停滞、ひいては輸出国の経済活動にも影響してきたことを示すと思われます。

(出所)財務省
グラフはBloombergのデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成

(出所)中国税関
グラフはBloombergのデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成

6.注目の市場指数

  11月には景気悪化と物価上昇圧力の後退を背景に、米国をはじめ各国の債券利回りが一段と低下(価格は上昇)しました。これは、各国において消費・生産・海外受注・雇用など実体経済の各所に弱含みが確認され、景気が低迷する局面が長期化との懸念が高まったほか、急速に低下を続けた原油価格の影響から、物価の上昇圧力が低下したことを好感したものです。各国の追加利下げについて、従来の予想以上に引き下げ幅が拡大し、また引き下げ時期についても前倒しされるとの見方が広がり、債券市場への追い風となりました。
 原油価格は下落基調を続け、NY原油は20日に終値で05年5月以来の50ドル割れとなりました。食糧などその他の商品価格も原油に連れ安となったほか、このところ賃金の上昇ペースにも弱含みが見られることから、物価上昇圧力の低下が見込まれ、各国中央銀行は利下げをはじめとした金融緩和を行いやすくなっています。また、物価が安定的に推移することで利回りへの評価が高まることも債券の需要に繋がりました。

(注) 期間は2007年12月3日~2008年11月28日
(出所)グラフはBloombergのデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成

(注) 2007年12月3日=100として指数化
期間は2007年12月3日~2008年11月28日
(出所)グラフはBloombergのデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成

7.年初来の各市場の推移

■株式

(注)2007年末=100として指数化
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

■債券

■為替

(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

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