【マンスリー No.8】先月のマーケットの振り返り(2009年4月)
平成21年5月1日
1.概観
・多くの米企業の1-3月期決算が予想を上回ったほか、金融機関への懸念緩和から株価は反発しました。
・第2回金融サミットは2010年末まで総額5兆ドルの財政支出を行い、景気を支援することで合意しました。
・国際的な金融監督の枠組み設立やIMFのような国際機関の基盤強化などが今後のG20の課題です。
・日本の政府・与党は15.4兆円の財政支出を伴う過去最大規模の追加景気対策を予定しています。
・日米での在庫調整進展や、中国での銀行貸出増加など、景気が今後持ち直す兆しが見られています。
・欧州においても企業に対するアンケート調査などで低水準ながら景況感が改善を始めました。
・新型インフルエンザの世界的流行に対する懸念など、新たな悪材料への対応が求められています。
4月の市場動向
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2.市場全体の振り返り
4月には、米国の1-3月期決算発表において、金融機関をはじめ多くの企業の業績が市場予想を上回ったほか、日米での在庫調整の進展や中国での銀行貸出増加など、景気が今後持ち直す兆しが確認されたことで、株価は反発を続けました。一方、景気や企業業績の早期回復は難しいとの慎重な見方などから、2~3月に見られた円安には一服感が出ています。
月初には、G20が成長率を引き上げるために2010年末までに総額5兆ドルの財政支出を行う方針に合意したことや、米国が時価会計基準を緩和したこと、米政府が19の大手金融機関に対して進めている資産査定(ストレステスト)に対する楽観的な見方が伝わったことなどから、株価は上昇しました。また、2~3月にかけて続いた円安傾向に一服感が見られました。これは、円安のペースが急だったことへの警戒や、景気や企業業績に対する慎重な見方からリスク回避のための円買戻しも根強いこと、欧州の経済指標が予想以上に悪化していたことなどが要因と見られます。
月央には、月初の株価が米企業の1-3月期決算の好結果を先取りする形で上昇したことで、利益を確定しようとする売りに押され、株価は一進一退の推移となりました。また、米金融機関の1-3月期決算は予想以上であったものの、大手銀行が貸倒引当金を積み増していることや、会計上の特別な措置による業績の押上げ効果も影響しているとして、米金融機関への不安はなお残ると見られました。
月末には、米国や英国の1-3月期GDP成長率が発表され、大幅なマイナス成長が続いたことが確認されました。しかし、景気は最悪期を出しつつあり、今後は成長率のマイナス幅が縮小していくとの見方から、株価は上昇しました。特に米国で、3四半期ぶりに個人消費が増加に転じたことや、在庫調整の進展が見られたことが好感されました。このほか、FRBが景気の悪化ペースについて若干の緩和が見られるとの見方を示したことも安心感に繋がりました。
また4月末には、メキシコで新型インフルエンザが発生し、WHO(世界保健機関)は警戒レベルを6段階中で「5」にまで引き上げました。感染・感染疑いのある患者は欧州・アジアにも拡大しており、新たな懸念材料となっています。
3.4月の各市場の推移
■株式
(注)2009年3月末=100として指数化
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■債券
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■為替
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
4.マクロ・マーケットの主なニュース
(出所)各種報道・発表を基に三井住友アセットマネジメント作成
5.注目の経済指標
4月には、日米などの先進国や中国など一部の新興国において景気が持ち直す兆候が見られ始めました。
米国の1-3月期GDPにおいては、GDP全体の約7割に相当する個人消費が3四半期ぶりに増加に転じたほか、在庫調整の進展が確認されました。今後は09年後半にかけて積極的な金融緩和政策やオバマ大統領の景気対策の効果が表れることも予想されており、成長率はマイナス幅を縮小させていくものと見られます。
中国の1-3月期GDPにおいては、成長率の鈍化は小幅なものに留まり、国内の消費や投資に回復の兆しが見られ始めました。これは中国政府が金融緩和を推し進めたことによる新規銀行貸出の増加や、大型景気対策に伴う公共投資の増加、農村向けの消費支援策などが影響したものと見られます。
このほか、日本に関しても製造業の在庫調整に進展が確認されており、5月に発表される1-3月期GDPは大幅なマイナス成長が見込まれる一方、その後は年後半にかけて徐々にマイナス幅を縮小させることが予想されます。
(出所)米国商務省
グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
(出所)中国国家統計局
グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
6.注目の市場指数
4月には米国企業の1-3月期決算が発表され、特に金融機関の決算発表に注目が集まりました。総じて、多くの企業・金融機関の決算内容が従来の市場予想を上回り、これを受けた米国の株価が4月前半にかけて上昇すると、その他の主要国の株価も同様に上昇しました。米国や日本において製造業の在庫調整に進展が見られているほか、低水準ながら各国の企業アンケート調査において、先行きの見通しが改善していることも、株価上昇を後押ししました。
一方で、2~3月に見られた円安傾向には一服感がみられました。株安など市場のリスク許容度が低下する際には円とドルがともに買われやすく、株高など市場のリスク許容度が回復する際には、円やドルとの金利差が残るユーロや豪ドルなどの通貨が買われやすい状況となっています。円は、2~3月にかけて円安ペースが急だったことへの警戒や、景気や企業業績に対する慎重な見方からリスク回避のための円買戻しも根強いこと、欧州の経済指標悪化などを要因に、概ね一進一退での推移となっています。
(注)08年12月末=100として指数化 期間は1月1日~4月30日
(出所)グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
(注)期間は1月1日~4月30日
(出所)グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
7.年初来の各市場の推移
■株式
(注)2008年12月末=100として指数化
(出所)グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
■債券
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■為替
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
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