【マンスリー No.10】先月のマーケットの振り返り(2009年6月)
平成21年7月1日
1.概観
・月初には米自動車大手GMが連邦破産法11条を申請しましたが、市場の反応は限定的でした。
・3月以降、株価回復が続きましたが、景気の先行き不透明感や割安感の後退から上昇は一服しました。
・米国など先進国の長期金利が国債増発を嫌気して一時的に急上昇し、株安・ドル安要因となりました。
・主要先進国は、危機対応型の政策運営によって悪化した財政を健全化する必要性に言及しています。
・温暖化ガス削減に取り組むことで雇用を創出するグリーン成長戦略が、国際的に合意されています。
・中国などの新興国が米ドル以外の準備通貨の必要性に言及し、一時的にドル安要因となりました。
・原油などの資源価格は、景気回復に伴う需要の拡大が緩やかとの見方から、上昇が一服しています。
6月の市場動向
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2.市場全体の振り返り
6月には株式・債券ともに、これまでの大型の市場テーマを消化したとして、方向感のないまちまちの展開が目立ちました。3月から株価の回復が継続してきましたが、過度な景気回復への期待が見直されたことや、株価の割安感が後退したことから、株価上昇は一服しています。また、為替市場でもドルに関して強弱の材料が交錯し、方向感の無い展開が継続しています。
月初には、米自動車大手GMが連邦破産法11条を申請しました。しかし、金融市場はこれを十分に織り込み済みとして、反応は限定的でした。また、市場の予想以上に米国の雇用情勢の悪化ペースが鈍化していたことや、製造業の景況感が改善していたことなどから、株価は上昇する一方、債券価格は下落(利回りは上昇)しました。
月央には、資源価格や長期金利の上昇が景気回復の足取りを遅らせるとの見方から、株価の上昇に一服感が見られました。また、新興国を中心に、株価は3月から回復を続けてきましたが、次第に割安感が後退したことから、今後は景気や企業業績の回復を確かめたいとの慎重な見方が増しました。
月末には、株価の一服感や景気の先行きに対する慎重な見方が戻ってきたことから、米国債の入札では大規模な増発にもかかわらず、堅調な需要が見られました。また、債券価格の低下に伴う利回りの上昇や物価の低下傾向も債券の投資妙味を高めることとなり、主要先進国の債券価格は次第に底堅さを取り戻し、月央までの長期金利の上昇は一服しました。
6月には中国人民銀行(中央銀行)やロシア政府などの新興国から米ドルに代わる新たな準備通貨を検討するべきとの発言が相次ぎました。しかし、米ドルの価値が低下した場合は、こうした国の政府が保有する米ドル建て資産にも影響するという背景もあります。このため、こうした枠組みの変化は緩やかに進められるとの見方が根強く、為替市場への影響は限定的でした。
3.6月の各市場の推移
■株式
(注)2009年5月末=100として指数化
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■債券
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■為替
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
4.マクロ・マーケットの主なニュース
(出所)各種報道・発表を基に三井住友アセットマネジメント作成
5.注目の経済指標
6月には月初に発表された米国の雇用統計の悪化ペースが市場予想以上に鈍化していたことなどから、投資家心理が改善しました。毎週発表される新規の失業保険申請件数が5月~6月にかけ、増加に歯止めがかかってきたこともこうした見方を裏付けました。失業率は急ペースで上昇していますが、これは求職活動を断念していた失業者が労働市場に戻ってきたことも影響していると思われます。
ただし、月末にかけては足許の景気回復のペースは緩やかに留まるとの慎重な見方が戻っています。
日本の鉱工業生産指数は5月に前月比5.9%増と、4月に続き大幅な改善となりました。こうした結果から、国内経済は4-6月期に前期比でプラス成長に転じた可能性が一段と高まっています。ただし、国内外の需要の回復ペースは緩やかに留まり、こうした持ち直しのペースも次第に緩やかなものとなることが予想されています。
(出所)米国労働省
グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
(出所)経済産業省
グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
6.注目の市場指数
6月には先進国において、大型の景気対策に伴う国債の増発が財政状況を悪化させることや、国債が大量発行されて債券市場の需要を上回る過剰供給となることなどが懸念され、債券価格は下落(長期金利は上昇)しました。
こうした背景から、欧州をはじめとした各国から、今後景気の回復が確実なものとなるにつれ、危機対応型の政策運営から脱却する「出口戦略」を検討する必要があるとの主張が見られ始めました。これは政策運営を平常時のものへと転換し、財政の再建に取り組むことで、国債市場への信頼感を高め、長期金利の上昇をけん制する動きです。
月央以降には、こうした各国の取り組みに加え、利回りの上昇や物価の下落による投資妙味の回復、株価の上値の重さなどが背景となり、債券価格は持ち直し(長期金利の上昇は一服)しています。
また、原油をはじめとした商品価格は6月前半にかけて、投資家のリスク許容度回復を受け、上昇しました。ただし、月央以降には長期金利や原油価格の上昇が景気の回復を遅らせる要因となるとの見方や、景気の回復ペースはあくまで緩やかに留まるとの見方から、上昇ペースは鈍化し、その後は一進一退での推移となりました。
(注)期間は1月1日~6月30日
(出所)グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
(注)期間は1月1日~6月30日
(出所)グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
7.年初来の各市場の推移
■株式
(注)2008年12月末=100として指数化
(出所)グラフはBloombergのデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成
■債券
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■為替
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
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