【デイリー No.314】英国の小売売上高(5月) ~3カ月ぶりの低下、消費の基調は弱い~
平成21年6月23日
<ポイント>
●5月の小売売上高指数は前月比▲0.6%と市場予想を下回り、3カ月ぶりに低下しました。
●失業率上昇や賃金抑制など、雇用情勢の悪化が個人消費の悪材料となっています。
●企業の景況感など一部の指標に改善も見られ始めましたが、当面の個人消費は低迷しそうです。
1.1-3月期に大きく悪化後、一部指標には改善も
(出所)英国政府統計局
グラフはBloombergのデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成
英国景気は09年1-3月期に大きく悪化しましたが、積極的な財政支出の拡大や金融緩和政策の効果もあり、一部の経済指標では徐々に改善が見られてきました。
2.3カ月ぶりの低下、消費の基調は弱い
英国の5月の小売売上高指数は前月比▲0.6%と、市場予想の同0.3%増(ブルームバーグ集計による予想中央値)を大きく下回りました。この要因には、食品を扱う店舗以外での売上高が同▲1.5%と、大きく落ち込んだことが挙げられます。英国の小売売上高指数は2カ月連続で回復していましたが、消費の基調は依然として弱く、5月には3カ月ぶりに減少に転じました。
また、急落していた住宅価格(ネーションワイド住宅価格指数)の下落幅が5月に前年同月比▲11.3%と、2月の同▲17.6%を底に縮小傾向にあることは消費や景気全体にとって好材料です。しかし、個人消費の回復が緩やかに留まっている背景として雇用情勢の悪化が挙げられます。悪化ペースは鈍化していますが、失業率は依然上昇を続けている(4月時点で7.2%、国際労働機関ベース)ほか、賃金の伸びも抑制傾向にあります。
3.今後の市場見通し
英国では、企業の景況感調査など一部の経済指標に改善も見られ始めましたが、当面の個人消費は低迷しそうです。また、英国景気全体についても、雇用情勢の悪化継続や金融機関の貸出引き締め、主要な貿易相手であるユーロ圏の国々の景気悪化などが悪材料となり、今後とも回復ペースは緩やかとなりそうです。
英国の株式市場は、世界的に株価が持ち直す局面では上昇も予想されますが、英国景気の早期回復が難しいことから上値は重く、一進一退の推移が予想されます。債券市場は、景気低迷の長引きや中央銀行の国債購入などから、債券価格は底堅く推移しそうです。為替市場は、英国景気に対する慎重な見方などがポンドの上値を抑制しやすい状況ですが、概ね一進一退となりそうです。
- 日本
- 中国
- アジア・オセアニア
- アメリカ
- ヨーロッパ・アフリカ
- マーケットレポート







