【デイリー No.316】日本の貿易統計(5月) ~前月比では2カ月連続で改善~
平成21年6月25日
<ポイント>
●5月の輸出額は前年同月比▲40.9%と、3カ月ぶりに減少幅が拡大しました。
●一方、輸出額を前月比で見た場合には、緩やかな改善が2カ月続いています。
●日本の輸出動向は今後緩やかに持ち直し、国内景気を下支えしていくと思われます。
1.減少ペースに鈍化の兆し
(出所)財務省
グラフはBloombergのデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成
世界景気の悪化により、日本の輸出額は08年10月から大きく減少しました。09年2月には輸出額が前年同月比▲49.4%と、過去最大の減少ペースを記録しましたが、世界的な在庫調整の進展や中国の景気対策による特需の影響を受け、減少ペースには鈍化が見られ始めました。
2.前月比では2カ月連続で改善
5月の輸出額は前年同月比▲40.9%と、4月の同▲39.1%から減少幅は3カ月ぶりに拡大しました。この背景には09年5月の営業日数が08年5月と比較して少ないことなどが影響したものと思われます。同様に、輸入額も同▲42.4%と4月の同▲35.8%から減少幅は拡大しています。貿易収支(輸出額-輸入額)は2,998億円と、4カ月連続で黒字になりました。(季節要因を除いて比較するために調整を行うと、2,224億円の黒字)
一方、輸出額を前月比で見た場合には、緩やかな改善が続いています。季節・物価要因の調整を行った実質輸出額は5月に前月比1.4%増となり、4月の同0.8%増に続き、2カ月連続で増加しました。実質輸出額を地域別に見ると、各国・地域で改善に一服感も見られますが、改善基調は持続していると思われます。
3.今後の市場見通し
日本から中国に向けた輸出は持ち直す傾向にありますが、日本から米欧向けの輸出、中国を経由しての米欧向け輸出は、依然として低水準です。世界的な在庫調整の進展による持ち直しの後も、日本の輸出動向が継続的に回復するには、米欧をはじめ先進国の需要回復がポイントとなります。世界景気が最悪期を脱しつつあるなか、日本の輸出動向は今後緩やかに持ち直し、国内景気を下支えしていくと思われます。
日本の株式市場は、株価の先行きに慎重な見方が多い一方、緩やかな景気回復が期待され、底堅く推移しそうです。債券市場は、景気の先行きが低調との見方から、国債に底堅い需要がある一方、今後の国債増発も影響し、債券価格は一進一退となりそうです。また、外国株式の上昇に伴う投資家のリスク許容度回復は円安要因ですが、先行きの不透明感から円買いも根強く、為替市場は概ね一進一退となりそうです。
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