【デイリー No.611】中国の貿易統計(6月) ~欧州と米国の景気持ち直しで輸出が堅調~
平成22年7月13日
<ポイント>
●6月の輸出額は前年同月比43.9%増の1,373億ドルと、5月から堅調に推移しました。
●欧州と米国の景気が持ち直したことを背景に、欧州・米国向け輸出額が増加しています。
●人民元の上昇などは、短期的には輸出に悪材料となりますが、その影響は限定的と思われます。
1.前月5月は貿易黒字額が大幅に増加
(出所)中国税関
グラフはBloombergのデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成
中国では2009年後半以降、内需拡大方針により輸入額が輸出額を上回って伸び、2010年3月には一時的に約6年ぶりの貿易赤字となりました。ただし、前回5月は伸び率が拮抗したことから、貿易黒字額が大幅に増加していました。
2.欧州と米国の景気持ち直しで輸出が堅調
6月の輸出額は前年同月比43.9%増の1,373億ドルと、5月の同48.5%増から堅調に推移しました。一方で、輸入額は同34.1%増の1,174億ドルと、5月の同48.5%増から増加ペースは鈍化しました。この結果、6月の貿易収支(輸出額-輸入額)は200億ドルの黒字と、2009年10月以来の高い水準となりました。
輸出額が堅調に推移した背景には、中国からの輸出額の順位が1位、2位である欧州と米国の景気が持ち直し、欧州と米国向けの輸出額が増加してきたことなどが挙げられます。その一方で、輸入額の増加ペースが鈍化したことは、中国が加工貿易の生産拠点であることから、今後の輸出額の伸びの鈍化につながる可能性があります。
3.今後の市場見通し
中国人民銀行が人民元の対ドルレートを緩やかに切り上げ始めたこと、欧州各国が財政再建のため緊縮財政を行っていること、中国政府が一部輸出品目の輸出還付税を撤廃したことなどは、短期的には輸出動向に悪材料となりそうです。ただし、中国政府は輸出産業に配慮し、急激な人民元の切り上げや政策変更は行わないと思われ、その影響は限定的となりそうです。
中国の株式市場は、銀行の増資や住宅価格の抑制策などにより調整していますが、中国経済は高成長が続いており、企業業績も堅調です。中国の株価は、政策動向などによって短期的には大きく変動する可能性がありますが、中長期では景気回復に伴って上昇基調に戻りそうです。
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