ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る豪州経済(2016年9月) 家計部門を軸に緩やかな拡大、豪ドルは底堅い展開へ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る豪州経済(2016年9月)
家計部門を軸に緩やかな拡大、豪ドルは底堅い展開へ 【デイリー】

2016年9月20日

【ポイント1】堅調さを維持する家計部門

企業の採用意欲が回復基調

■2016年8月の雇用者数は前月比0.4万人の減少となりました。雇用統計は月ごとの変動が激しいため、変動を均した政府公表のトレンド値をとると、同1.0万人増となります。トレンド値は7月の1.2万人増から鈍化しましたが、景況感指数は企業が採用意欲を強めていることを示唆しています。雇用の増勢は今後も維持されると予想されます。一方、失業率は7月の5.7%から5.6%に低下しました。

■雇用の改善を背景に、小売売上高は概ね前年同月比3~4%の伸びを維持しています。家計部門は底堅く推移しています。

【ポイント2】政策金利は据え置き

堅調に推移する国内景気が背景

■豪州準備銀行(RBA)は9月6日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。消費者物価上昇率は、RBAの目標である+2%~+3%の下限を下回った状態が続いているものの、国内景気が底堅さを保っているためです。今後についてもRBAは、堅調な国内景気を支えに、当面のところ政策金利を据え置く公算が大きいと考えられます。

【今後の展開】底堅い推移が見込まれる豪ドル相場

■RBAの緩和的なスタンスにもかかわらず、今年に入ってからの豪ドルの対米ドル相場は、緩やかな上昇トレンドを維持しています。中国での需給改善などから、石炭をはじめとする資源の価格が持ち直してきたこと、米国の利上げが進んでいないことが主因です。

■対円についても豪ドルは目先、底堅く推移する見込みです。日銀のさらなる金融緩和観測が根強く、豪日の金利差が急激に縮小する可能性は当面のところ低いと考えられるためです。資源価格の持ち直しも、豪ドル上昇の支援材料となる見通しです。

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