豪州の金融政策は据え置き(2016年11月)
インフレ率は豪州中銀の想定に沿った推移 【デイリー】
2016年11月1日
【ポイント1】史上最低の1.5%を維持
物価上昇率はRBAの想定範囲内
■豪州準備銀行(RBA)は11月1日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。ブルームバーグ社の集計によれば、対象27名のエコノミストのうち21名が据え置きを予想していました。
■10月26日に発表された16年7-9月期の消費者物価上昇率は、RBAの注視するトリム平均値(異常値をつけた項目を除いた物価指数)で見て、前年同期比+1.7%でした。目標の下限である+2.0%を下回りましたが、RBAが8月に公表したインフレ見通しとは概ね整合的でした。景気判断にも大きな変化がなかったことから、政策金利を据え置いたと考えられます。
【ポイント2】当面は現状維持の見通し
声明文は前回とほぼ同じ内容
■声明文の内容に、前回から大きく変わったところは見られず、先行きの金融政策スタンスについても特に言及はありませんでした。
■豪州経済は、鉱業部門における設備投資の落ち込みを、雇用の改善や金利低下等による個人消費、住宅投資、輸出の増大で吸収し、拡大基調を維持する見込みです。
【今後の展開】豪ドルは底堅い推移へ
■RBAの政策金利据え置きは想定通りでしたが、市場エコノミストの2割程度が利下げを予想していたこともあり、会合直後の豪ドルは対米ドル、対円で上昇しました。
■物価動向次第では、来年前半にRBAが利下げに踏み切る可能性もありますが、世界的な低金利、景気回復の継続、原油を除く資源輸出価格の堅調などから、豪ドル相場は底堅い展開となりそうです。