豪州株式市場の見通し
鉄鉱石価格の上昇に期待【デイリー】

■豪州株式市場は、欧米の長期金利の上昇や原油価格などの商品価格の変動を背景に上げ下げを繰り返す展開が続いています。S&P/AS200指標で見ると、6月は前月比▲0.05％、7月同▲0.02％と値動きの乏しい展開でした。

■セクター別に見ると、約38％のウエイトを占める金融セクターが頭打ちとなっています。また、外国人を対象とした購入規制を背景に6月に調整した不動産セクターは7月以降下げ止まりました。素材セクターは緩やかな上昇基調となっています。

■豪州企業の純利益は5月頃に頭打ちとなりましたが、7月下旬ごろに底打ちの兆しが見られます。豪州企業の純利益の動きは素材セクターの動きとほぼ連動しており、素材セクターの業績モメンタムが再び上向きになりつつあります。

■素材セクターの業績は鉄鉱石等の価格や需要によって左右されます。需要は主に中国のインフラ投資などです。ちなみに、中国の圧延鋼の価格は水準、伸び率とも8月に入ってからも上向きで推移しており、中国の鉄鋼市況は依然として堅調と判断されます。中国の需要の拡大を背景に素材セクターの業績の改善傾向が強まると考えられます。豪州株式市場は業績モメンタムが上向く中で、業績の伸びに沿った株価上昇が期待できそうです。