良好な状態が続く豪州経済（2018年4月）
景気の拡大と物価の安定が両立、金融政策は現状維持へ【デイリー】

■2018年3月の製造業景況感指数（PMI）は、過去最高の63.1となりました。豪州国内でのインフラ整備プロジェクトの進行等が、景況感の改善につながっていると見られます。

■同月の雇用者数は、前月比1.4万人増となり、2月の同1.7万人増から鈍化しました。もっとも、企業の景況感が上向いてきていることを踏まえると、今後、雇用者数も増加の勢いを強める見通しです。

■18年1-3月期の消費者物価指数（異常値をつけた項目を除外したトリム平均値）上昇率は、前年同期比+1.9％と、豪州準備銀行（RBA）の目標レンジ＋2～＋3％を引き続き下回りました。

■RBAは、4月3日に開催した金融政策決定会合で政策金利を1.50％に据え置きました。フィリップ・ロウRBA総裁は、利上げの条件として失業率、賃金上昇率、物価上昇率のさらなる改善を挙げていますが、これら指標の改善ペースは依然、緩慢です。政策金利はしばらく据え置かれる見通しです。

■足元の豪ドルの対円相場は、持ち直しつつあります。シリア情勢の悪化懸念等が、やや後退したことによるものです。中東情勢や米中関係等には引き続き注意を払っておく必要がありますが、堅調な豪州景気、日豪間の金利差拡大等から判断する限り、豪ドル相場は今後も底堅い推移が見込まれます。