ホームマーケット日々のマーケットレポート中国の住宅市況(2016年8月) 住宅価格は上振れ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

中国の住宅市況(2016年8月) 住宅価格は上振れ 【デイリー】

2016年9月21日

【ポイント1】64都市が価格上昇

前月から急増

■中国国家統計局が19日発表した8月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月比で上昇したのは64都市と、7月より13都市増えました。上昇都市数が増加するのは4カ月ぶりです。一方、前月比で下落したのは4都市と、7月より12都市減りました。横ばいは1都市少ない2都市でした。

■住宅価格は、中国当局が今春に規制を強めたため、沈静化の動きが7月にかけて見られましたが、足元で再び上昇しました。

【ポイント2】大都市が上昇をけん引

上海では駆け込み需要

■8月の住宅価格指数は、北京(前月比+3.8%)や上海(同+5.2%)などの大都市(1級都市)が上昇をけん引しました。上海では、9月以降に住宅購入の規制が再び強化されるとの観測が広がったことで、8月中の駆け込みの購入の動きが強まったことが価格上昇の背景です。

【今後の展開】住宅価格は徐々に沈静化へ

■上海では、9月1日以降に離婚すると最低1年間同一世帯としてみなされるため(住宅購入の規制は世帯単位)、住宅ローン規制を逃れる目的で、住宅を買う前に離婚する人まで出たようです。同様の観測が大都市を中心に広まったことで一時的に駆け込み需要が発生した可能性があります。

■中国政府が不動産価格のバブル化に対して警戒感を強めるなか、各地方政府は住宅価格の高騰を抑えるために相次いで購入抑制策を打ち出しています。このため、今後住宅価格の上振れの動きは、徐々に沈静化していくと見られます。

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