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金融政策の枠組み変更と日本株式市場 【デイリー】

2016年9月27日

【ポイント1】金融政策枠組み変更

2本柱の政策

■21日、日銀の金融政策決定会合で金融政策の枠組み変更(「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入)が発表され、日経平均株価は上昇しました。金融機関の収益悪化懸念が後退するとの見方から金融株に買いが入り、相場全体を押し上げました。

■ 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、①長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、②インフレが2%を安定的に超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」が2本柱です。

【ポイント2】金融緩和は一段と長期化

金融政策の持続可能性は高まる

■「イールドカーブ・コントロール」により、長短金利差が確保されると共に国債買い取り額が柔軟になり、金融政策の持続可能性が高まったと見られます。

■また、消費者物価の上昇率が2%を超えた途端、緩和基調が変わるのでは、という不安を打ち消す「オーバーシュート型コミットメント」により、かなりの長期間金融緩和が継続することが予想されます。

【今後の展開】日銀の新たな金融政策を意識する展開へ

■日銀の新しい枠組みは、中長期的に財政との組み合わせで考えることが大切です。これは緩和の長期化と「イールドカーブ・コントロール」によって、財政拡張による金利や通貨の上昇を抑制する効果が期待できるからです。日銀が「イールドカーブ・コントロール」を打ち出した以上、今後は株式市場も為替市場もイールドカーブをより強く意識することになると思われます。そのため「イールドカーブ・コントロール」の巧拙が、市場の日銀への信任のバロメーターになると見られます。

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