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日本の企業業績と株式市場の見通し
年度下期に向け業績拡大期待が株価を下支え【デイリー】

2017年8月17日

【ポイント1】2017年4-6月期は順調

製造業がけん引

■2017年4-6月期の企業業績は前年同期比で売上高が+4.7%、営業利益が同+10.5%、経常利益が同+19.0%となりました(8月16日現在)。今回の決算は、米国や中国を中心に海外景気が好調を維持する中、輸出関連企業に追い風が吹いた形となりました。

■業種別に経常利益の変化率を見ると、製造業は前年同期比+38.4%と全体をけん引しました。「鉄鋼」が前年同期比10.5倍と大きく回復したほか、「電気機器」が同+73.9%、「機械」が同+76.8%と好調でした。輸送用機器は同+14.6%に留まりましたが、総じて製造業は堅調でした。

■一方、非製造業の経常利益は前年同期比+5.0%となりました。「卸売業」が同+41.3%と高い伸びを示しましたが、「情報・通信業」が同▲12.9%となりました。

【ポイント2】上方修正の可能性

業績予想に対する進捗率が良好

■今回の決算は、上期の会社予想の業績に対する進捗率が50%を上回る好調ぶりです。足元の国内外の経済環境を踏まえると、今後は業績見通しを上方修正する動きが一段と強まると思われます。

■ちなみに、企業業績の改善度合いを見るリビジョンインデックスは、再び上昇しています。

【今後の展開】年度下期に向け業績拡大期待が株価を下支え

■日本株式市場は、北朝鮮の核・ミサイル開発を巡る地政学リスクの高まりから、調整を余儀なくされましたが、今回の好決算などを背景に限定的な下落に留まりました。ただ、地政学リスクは当面残りそうです。

■今後の注目点は、欧米の金融政策の正常化に向けた動きがもたらす為替市場等への影響です。日本株式市場は当面投資家の慎重な姿勢を背景に上値が重くなる可能性がありますが、年度下期に向け、業績の拡大期待が株価を下支えすると考えられます。

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