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1月分機械受注について

2015年3月11日

― 1月分機械受注(除船電民需)前月比▲1.7%と小幅減少。 ―
― 内閣府判断は「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」で判断据え置き ―

●1月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲1.7%と3カ月ぶりの減少になった。また、1月分機械受注(除船電民需)の前年同月比は+1.9%と2カ月連続増加となった。
●大型案件は9月分以来4カ月ぶりに今回1月分で1件あった。石油製品・石炭製品で火水力原動機1件だ。除船電民需以外では、運輸業・郵便業と卸売業・小売業で船舶が各々1件の小計2件、官公需で船舶とその他産業機械が各々1件の小計2件、外需で船舶2件、化学機械2件、火水力原動機1件、航空機1件の小計6件、合計で10件あった。
●1~3月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比+1.5%の増加であるが、2・3月分の前月比が各々▲2.4%ずつで達成できる。季節調整替えがあるものの、見通し達成のハードルは比較的低くなった。

●仮に2・3月分の前月比が各々0.0%ずつだと、1~3月期の機械受注(除船電民需)は前期比+4.0%の増加になる。

●1~3月期は、2001年(平成13年)~09年(平成21年)の9年間では「実績」が「見通し」を下回ったが、10年(平成22年)~14年(平成26年)の5年間では12年・13年の2年間は下振れ、残りの3年では「実績」が「見通し」を上回った。15年(平成27年)も上振れそうだ。
●1~3月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比+1.5%である。見通しは企業が提出した数字の単純集計値に過去3四半期の平均達成率96.7%を乗じて求めている。単純集計値の数字が実現すると前期比+5.0%程度になる計算だ。1月分のスタートが高水準なので、仮に2・3月分の前月比が各々+1.0%ずつ増加すると1~3月期は前期比+5.0%と、単純集計値から算出される伸び率と同じになる。季節調整替えが行われる四半期であるので、予断を持つことなく実績の数字がどうなるかを見守りたい。機械受注という先行指標からみると、機械の設備投資が今後増加していきそうだ。
●内閣府の基調判断は、14年7月分では「機械受注は、一進一退で推移している」であったが、8月分では「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」と5カ月ぶりの上方修正になり、9月分・10月分では据え置きとなった。11月分では「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に3カ月ぶりに下方修正されたが、それも一時的で、前回12月分では「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」と、2カ月ぶりに上方修正され、8~10月分と同じ判断に戻った。今回1月分も「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」と判断据え置きになった。

●1月分では、多くの業種が前月比増加となった12月分の反動で減少した業種の方が多かった。1月分の製造業の前月比は▲11.3%と2カ月ぶりの減少になった。製造業15業種中、5業種が増加で10業種が減少になった。1月分の非製造業(除船電民需)の前月比は+3.7%と3カ月連続の増加となった。非製造業全体では、前月比は+22.2%と2カ月連続の増加となった。大型案件があった卸売業・小売業は前月比+264.3%の増加となった。非製造業12業種中、6業種が増加で6業種が減少となった。
●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注の1月分は、12月分が前月比+16.9%と大幅な増加であった反動もあって、前月比▲13.9%の減少になった。1~3月期の見通しは前期比▲17.1%と4四半期ぶりの減少見込みだが、仮に2・3月分の前月比が各々0.0%ずつだと、1~3月期は前期比▲8.6%と1ケタの減少にとどまる。
●1月分の外需は、前月比が+24.2%と5カ月ぶりの増加となった。大型案件が6件で12月分の3件の倍に増えたことも大幅な増加率につながったとみられる。
●1月分景気動向指数・CI改定値で新たに改定値から加わる系列として、先行系列では実質機械受注がある。前月差寄与度は▲0.10程度のマイナス寄与になるとみる。在庫率関連データなどが速報値段階と確報値段階とで数字が変わらないと仮定すると、先行CI・改定値の前月差は▲0.3程度の下降と速報値の前月差▲0.2の下降から下方修正になると予測する。また、先行DIでは実質機械受注がプラス符号で加わり、60.0%程度と速報値の55.6%から上方修正になると予測する。