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9月分機械受注について

2015年11月12日

― 7~9月分機械受注(除船電民需)は5四半期ぶりの前期比減少 ―
― 内閣府判断は「機械受注は、足踏みがみられる」で据え置き ―

●9月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下除船電民需)の前月比は+7.5%になった。3カ月続けて前月比マイナスだった反動が出て、4カ月ぶりの増加だ。8月に中国発世界同時株安が発生したため9月も企業は慎重な行動をとった可能性がある。当初の7~9月期の機械受注(除船電民需)見通しは前期比+0.3%だったが、実績は大きく下振れ、前期比▲10.0%と5四半期ぶりの前期比減少になった。

●以下、本日、時事通信に配信いただいた、宅森コメントである。
「9月のコア機械受注(前月比7.5%増)動向は、先行き緩やかな持ち直しの兆しが伺え、一安心だ。7~9月期の大幅減少は、4~6月期に鉄鋼業で大型案件受注があった反動が大きく影響したようだが、突出した要因を除けば投資マインドが極端に冷え込んでいることはなさそうだ。内閣府によると9月に大きな受注のキャンセルはなく、中国ショックなど海外経済に対する一時の過度な懸念もこなされてきたとみられる。ただ、設備投資のさらなる悪化は避けらそうだが、企業の慎重な投資スタンスはしばらく続くだろう。

 今後は、足元で弱い動きが見られる製造業の動向に注目したい。10~12月期見通し(前期比6.0%増)は高めに見積もられており、下振れのリスクがある。コア受注全体の10~12月期見通しは前期比2.9%増だが、製造業のかさ上げ分を除くと1%程度の増加とみられ、着地点は製造業の動向がカギになりそうだ。9月は電気機械や自動車などに明るい動きもあり、推移を見守りたい。」