ホームマーケット経済指標解説15年10~12月期実質GDP(第1次速報値)予測

15年10〜12⽉期実質GDP(第1次速報値)予測

2016年1月29日

●2月15日に発表される10~12月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比▲0.2%程度、前期比年率▲0.6%程度を予測する。ESPフォーキャスト調査1月調査の予測平均値前期比年率+0.63%を下回りマイナス成長になるのではないかとみた。

●10~12月期実質GDP第1次速報値では内需は前期比▲0.7%程度のマイナス寄与度を予測する。個人消費は前期比▲0.5%程度と11月・12月と全国的に気温が高めに推移するなど天候要因により、衣類などの季節商品が低調であったことなどの影響で、全体として弱い動きになってしまったようだ。設備投資では、ソフトウエア関連は底堅いようだが、第1次速報値段階で使用する供給サイドの資本財関連・建設財関連のデータが弱く、前期比▲0.1%程度と微減とみた。住宅投資は4四半期ぶりの減少となろう。民間在庫投資は前期比マイナス寄与になるとみた。

●外需は、輸出が2四半期連続で前期比増加し、輸入の前期比も2四半期連続で増加するが、伸び率が輸出より小さいため、外需の前期比寄与度は+0.5%程度と2四半期連続プラス寄与になるとみた。

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の10~12月期の前期比は+2.2%の増加になった。同じく供給サイドの関連データである非耐久消費財出荷指数は同▲0.3%の減少だ。同じく供給サイドの関連データである商業動態統計・小売業販売指数の10~12月期の前期比は0.0%と横這いになった。一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の10~12月期の前期比は▲2.0%の減少だ。乗用車販売台数の10~12月期の前期比は+1.6%の増加だ。GDP統計の実質個人消費と関連性が高い消費総合指数(月次ベース)の10~11月平均対7~9月平均比は▲0.6%だ。総合的に判断すると、エルニーニョ現象による暖冬の影響で冬物の消費が鈍かったことなどから、10~12月期第1次速報値では個人消費は、前期比で▲0.5%程度のマイナスの伸び率になると予測した。

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の10~12月期の前期比は▲1.7%の減少になった。資本財(除.輸送機械)は同▲0.9%の減少である。また、建設財は同▲2.4%の減少になった。投資財総供給は10~11月平均対7~9月平均比はプラスだが、12月の投資財出荷指数が大きく低下した。供給サイドから推計される10~12月期の実質設備投資・前期比はマイナスの伸び率になる可能性が大きいとみられる。総合的に考えると、最終的に供給サイドから推計される10~12月期の実質設備投資・前期比は▲0.1%程度の微減とみた。

●在庫投資の前期比寄与度は▲0.2%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が現時点での情報を使って算出・公表した、10~12月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲7,588億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は▲760億円である。鉱工業在庫指数の前期比は7~9月期は▲0.9%だったが、10~12月期は▲1.1%と減少率がやや拡大したことなどを考慮した。

●公共投資は前期比▲2.5%程度と2四半期連続でマイナスの伸び率になると見た。公共工事出来高の前年比は7~9月期は+0.2%だったが、10月分は▲1.5%、11月分は▲5.1%であることなどを参考に予測した。

●実質輸出入の動向をみると輸出の10~12月期の前期比は+2.7%の増加になった。輸入は同▲1.5%の減少になっている。10~12月期はモノだけからみると、10~12月期第1次速報値の外需はかなりのプラス寄与になりそうだ。サービス面を考慮して、10~12月期の外需の前期比寄与度は前期比+0.5%程度とプラス寄与になると予測する。