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2016年3月調査日銀短観予測

2016年3月24日

●3⽉調査⽇銀短観では、⼤企業・製造業の業況判断DIが+5と12⽉調査の+12から7ポイント低下すると予測する。但し、12期連続で「良い」超のプラスにはなろう。新興国経済の減速により輸出・⽣産⾯に鈍さがみられることを反映すると⾒た。
●⼀⽅、⼤企業・⾮製造業の業況判断DIは、雇⽤・所得環境の着実な改善によりしっかりしたDIになろう。原油価格低下による交易条件の改善も⾮製造業の業況判断DIの⽀援材料だろう。約24年ぶりの⾼⽔準だった9⽉調査・12⽉調査の+25から2ポイント程度上昇し+27程度になると予測する。19期連続で「良い」超のプラスにはなろう。
●この予測は、⽇銀短観DIと連動性が⾼いことが知られている3⽉調査のロイター短観、3⽉調査のQUICK短観などを参考にした。
●3⽉23⽇に発表されたロイター短観3⽉調査の調査期間は3⽉3⽇から3⽉17⽇となっている。400社ベースの製造業の業況判断DIは12⽉調査の+9から3ポイント低下の+6となった。⼀⽅、⾮製造業DIは12⽉調査の+18から6ポイント改善の+24となった。内訳をみると、不動産・建設は+35と12⽉調査の+37から若⼲低下した。⼩売は+14で12⽉調査の+5から9ポイント上昇した。通信・情報サービスは12⽉調査の+35から30ポイント上昇し+65となった。なお、200社ベースの製造業の業況判断DIは12⽉調査の+18から10ポイント低下し+8となった。⼀⽅、⾮製造業DIは12⽉調査の+18から7ポイント上昇の+25となった。
●また、3⽉18⽇に発表されたQUICK短観3⽉調査の調査期間は3⽉1⽇から3⽉15⽇である。製造業の業況判断DIは12⽉調査の+17から12ポイント低下の+5となった。また、⾮製造業DIは12⽉調査の+32から3ポイント低下し+29となった。
●⼤企業・製造業の業況判断DIが+5程度と予測通りなら、12⽉調査の「先⾏き⾒通し」+7を2ポイント下回ることになる。また⼤企業・⾮製造業が+27程度と予測通りなら、12⽉調査の「先⾏き⾒通し」+18を9ポイント上回ることになる。⾜元の景況感が事前の予想より製造業では下振れ、⾮製造業では上振れとなろう。
●ロイター短観の6⽉までの「先⾏き⾒通し」は、製造業・400社ベースで+7と3⽉実績の+6より1ポイント改善、⾮製造業・400社ベースの6⽉までの「先⾏き⾒通し」は+18と、3⽉実績の+24から6ポイント低下予想である。QUICK短観の製造業の6⽉までの「先⾏き⾒通し」は+6で3⽉実績の+5より1ポイント改善の予想、⾮製造業の「先⾏き⾒通し」は+27で3⽉実績の+29に⽐べて2ポイント低下する予想である。
●⽇銀短観の⼤企業・業況判断DIの6⽉までの「先⾏き⾒通し」は、ロイター短観やQUICK短観や最近の経済動向などを参考にして、製造業で3⽉実績⽐1ポイント改善の+6程度、⾮製造業は3⽉実績⽐5ポイント低下の+22程度と予測した。
●3⽉調査⽇銀短観の中⼩企業の業況判断DIは製造業が12⽉調査の0から6ポイント悪化の▲6程度、⾮製造業が12⽉調査の+5から1ポイント悪化の+4程度と予測した。商⼯中⾦・中⼩企業景況判断指数や景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状⽔準判断DIなどを参考にして予測した。
● 参考データの商⼯中⾦の中⼩企業⽉次景況観測の景気判断指数は直近2 ⽉分で製造業が47.4(12⽉分46.6、1⽉分46.1、3⽉予測49.1)で、⾮製造業は2⽉分が48.3(12⽉分49.6、1⽉分48.1、3⽉予測50.4)となっている。
●景気ウォッチャー調査の企業動向関連の現状⽔準判断DIの最近の推移は製造業が11⽉調査46.4、12⽉調査44.9、1⽉調査45.2、2⽉調査45.1で、⾮製造業は11⽉調査48.8、12⽉調査50.1、1⽉調査48.0、2⽉調査46.0となっている。なお、⽇銀短観は⽔準の調査なので、景気ウォッチャー調査の⽅向性の現状判断DIではなく参考データの現状⽔準判断DIの⽅を重視した。
●⽇銀短観の中⼩企業・業況判断DIの6⽉までの「先⾏き⾒通し」は、依然先⾏きの景気にやや不安を感じている企業が多いとみて、製造業で3⽉実績⽐1ポイント悪化の▲7程度、⾮製造業は3⽉実績⽐5ポイント悪化の▲1程度と予測した。⾮製造業では先⾏きを慎重にみるというクセも考慮した。
●2015年度の⼤企業・全産業の設備投資実績は3⽉調査では前年度⽐+9.9%程度と、12⽉調査の同+10.8%から鈍化すると予測した。過去の修正パターンや、最近の設備投資計画調査などを参考に予測した。
●2016年度の⼤企業・全産業の設備投資実績は前年度⽐▲1.9%程度と予測した。年度直前の調査であり、弱めの数字になりやすいことや、最近の設備投資計画調査などを参考に予測した。
●2015年度の中⼩企業・全産業の設備投資実績は3⽉調査では前年度⽐+3.4%程度と12⽉調査の同▲0.2%から上⽅修正されると予測した。中⼩企業の設備投資計画は例年3⽉調査が弱く、その後は調査の度に改善していく傾向があることなどを参考にした。
●2016年度の中⼩企業・全産業の設備投資実績は前年度⽐▲27.8%程度と予測した。過去のパターンや、最近の設備投資計画調査などを参考に予測した。