ホームマーケット経済指標解説2016年1~3月期実質GDP(第1次速報値)予測

2016年1~3月期実質GDP(第1次速報値)予測

2016年4月28日

●5月18日に発表される1~3月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比0.0%程度、前期比年率0.0%程度を予測する。ESPフォーキャスト調査4月調査の予測平均値前期比年率+0.25%を下回りそうだ。

●1~3月期実質GDP第1次速報値では内需は前期比0.0%程度を予測する。個人消費は前期比+0.1%程度と暖冬で落ち込んだ10~12月期とほぼ同じ水準にとどまりそうだ。設備投資も、第1次速報値段階で使用する供給サイドの資本財関連・建設財関連のデータが弱く、前期比+0.1%程度とこちらも10~12月期とほぼ同じ水準にとどまりそうだ。住宅投資は2四半期ぶりの増加となろう。民間在庫投資の前期比寄与はゼロになるとみた。

●外需は、輸出、輸入とも2四半期連続で前期比減少とみた。外需の前期比寄与度は▲0.1%程度と3四半期ぶりのマイナス寄与になるとみた。

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の1~3月期の前期比は▲3.4%の減少になった。非耐久消費財出荷指数は▲0.3%の減少になった。同じく供給サイドの関連データである商業動態統計・小売業販売指数の1~3月期の前期比は▲2.3%の減少になった。一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の1~3月期の前期比は+0.1%の増加だ。乗用車販売台数の1~3月期の前期比は▲4.6%の減少だ。GDP統計の実質個人消費と関連性が高い消費総合指数の1~2月分平均対10~12月平均比は前期比+0.05%だ。総合的に判断すると、1~3月期第1次速報値の個人消費の前期比はもたついた伸び率になる可能性が大きい。

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の1~3月期の前期比は▲4.2%の減少になった。資本財(除.輸送機械)は同▲2.6%の減少である。また、建設財は同▲1.0%の減少になった。投資財総供給は1~2月平均対10~12月平均比は+0.3%の増加だ。供給サイドから推計される1~3月期の実質設備投資・前期比はもたついた伸び率になる可能性が大きいとみられる。

●在庫投資の前期比寄与度は0.0%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が10~12月期GDP第2次速報値時点での情報を使って算出・公表した、1~3月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲1,990億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は▲3,457億円である。一方で、鉱工業在庫指数の前期比は10~12月期は▲0.5%とマイナスだったが、1~3月期は+2.3%とプラスになったことなどを考慮した。

●公共投資は3四半期連続で前期比マイナスの伸び率になると見た。公共工事出来高の前年比は10~12月期は▲4.9%、1月分は▲4.3%、2月分は▲4.4%であることなどを参考に予測した。

●実質輸出入の動向をみると輸出の1~3月期の前期比は▲0.1%の減少になった。輸入は同+0.7%の増加になっている。1~3月期はモノの面はマイナス寄与になりそうだ。サービス面を考慮して、1~3月期の外需の前期比寄与度は▲0.1%程度のマイナスになると予測する。

●1~3月期の実質GDP第1次速報値・前期比はゼロ程度と、うるう年の割にもたついた伸び率になりそうな状況である。