ホームマーケット経済指標解説2016年2月分機械受注

2016年2月分機械受注

2016年4月11日

- 2月分機械受注(除船電民需)前月比▲9.2%と3カ月ぶりの減少 -
- 1月分の鉄鋼業大型案件3件の反動、2月分大型案件は通信業の1件だけ -
- 1~3月期前期比見通しは+6.4%、3月分の前月比+4.6%で達成可能 -
- 内閣府判断「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で据え置き -

●2月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は▲9.2%と3カ月ぶりの減少になった。
●2月分の製造業の前月比は▲30.6%と2カ月ぶりの減少になった。製造業17業種中、6業種が増加で11業種が減少だった。●2月分の非製造業(除船電民需)の前月比は+10.2%と3カ月連続の増加になった。電力業で4件の大型案件があったことなどから、非製造業全体では前月比は+31.7%の高い伸び率で、3カ月連続の増加になった。非製造業12業種中、8業種が増加で4業種が減少となった。
●機械受注(除船電民需)の大型案件は前回1月分では鉄鋼業で火水力原動機2件、化学機械1件、計3件あった。1月分の鉄鋼業の前月比は+928.5%の大幅増加だったが、2月分の前月比は▲92.7%の減少になった。今回2月分の大型案件では通信業の通信機1件があり、通信業の前月比は+7.7%だった。
●機械受注の除船電民需以外の大型案件は全部で7件だったという。内訳をみると、非製造業の電力業で火水力原動機2件、その他重電機1件、化学機械1件の計4件、運輸業・通信業で船舶1件があった。また官公需では地方公務で化学機械2件の大型案件があったということだ。
●2月分の外需は、今回は大型案件がなかったにもかかわらず前月比+6.3%と4カ月ぶりの増加になった。
●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注の2月分前月比は▲1.8%と1月分の+11.4%の反動もあり2カ月ぶりの減少になった。1~3月期見通しは前期比+1.7%の増加だが、これは3月分前月比が▲17.5%で達成できる。4四半期連続の増加見通しであることは、足元の中小企業の機械の設備投資が底堅いことを裏付けていよう。NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」平均視聴率が23.5%で、2002年度前期放送の「さくら」の23.3%を抜いて今世紀最高を更新したことと整合的だ。前向きな経営者を応援する風潮が、「借得金利(マイナス金利)」の後押しとともに、中小企業の設備投資を後押しすることを期待したい。
●内閣府の基調判断は、15年7月分では「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に8カ月ぶりに下方修正された。さらに8月分では「機械受注は、足踏みがみられる」へと連続して下方修正となった。8月には中国発世界同時株安など企業心理を冷え込ませる状況が生じたからだ。9月分では判断据え置きだったが、10月分では「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に判断が上方修正された。11月分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、11月の実績は大きく減少した」となったが、これは機械受注(除船電民需)前月比が▲14.4%と2ケタの大幅な減少率なので、言及せざるをえなかったのだろう。12月分・1月分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で判断据え置きとなった。今回2月分でも「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で実質的に5カ月連続の判断据え置きになった。
●1~3月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比+6.4%だ。3月分前月比+4.6%で達成可能である。また、3月分前月比▲14.3%で前期比+0.04%の微増になる。多少見通しより下振れても2四半期連続の増加になる可能性が大きそうで、「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」という判断が継続していることと整合的だろう。

●2月分景気動向指数・CI改定値で新たに改定値から加わる系列として、先行系列では実質機械受注(製造業)がある。実質機械受注(製造業)の前月差寄与度は1月分+0.75と大幅プラス寄与であった反動が出て2月分ではそれに匹敵する大幅マイナス寄与になると予測する。在庫率関連データなどが確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先行CI・改定値の前月差は▲2.5程度の下降と速報値の▲2.0から下方修正になるとみた。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)の符号がマイナス符号で加わるとみて、30.0%程度と速報値の33.3%から下方修正になると予測する。

(4月11日現在)