ホームマーケット経済指標解説2017年1~3月期実質GDP(第1次速報値)予測

2017年1~3月期実質GDP(第1次速報値)予測

2017年4月28日

●5月18日に発表される1~3月期第1次速報値では、実質GDP成長率は前期比+0.5%程度、前期比年率+2.0%程度を予測する。

●1~3月期実質GDP第1次速報値では内需前期比寄与度は+0.5%程度を予測する。実質の個人消費は+0.6%程度を予測する。天候不順で野菜が高かった影響などから10~12月期は前期比0.0%だった反動が出るとみた。設備投資は第1次速報値段階で使用する供給サイドの関連データが弱いので、前期比▲0.5%程度と減少になりそうだ。

●外需は、輸出が3四半期連続前期比増加になるとみた。外需の前期比寄与度は3四半期連続してプラス寄与になるとみた。

●個人消費の供給サイドの関連データである耐久消費財出荷指数の1~3月期前期比は▲2.8%の減少になった。非耐久消費財出荷指数は同+1.6%の増加だ。同じく供給サイドの関連データである商業動態統計・小売業販売額指数(名目)の1~3月期前期比は▲0.2%の減少だ。一方、需要サイドの関連データでは、家計調査・二人以上世帯・実質消費支出(除く住居等)の1~3月期前期比は+1.1%の増加になった。乗用車販売台数の1~3月期前期比は▲1.9%の減少だ。GDP統計の実質個人消費と関連性が高い消費総合指数(月次ベース)の1~2月分平均比対10~12月分平均比は+0.9%となっている。仮に3月分の前月比を▲1.2%と置いてみると1~3月期前期比は+0.6%になる。総合的に判断すると、1~3月期第1次速報値での個人消費の前期比は+0.6%程度になるとみた。

●住宅投資は前期比+2.4%程度とみた。先行指数である最近の新設住宅着工戸数・年率の3カ月移動平均はこの1年間90万戸台後半の高水準で推移していることなどを参考にした。

●設備投資の関連データである資本財出荷指数の1~3月期前期比は▲0.4%の減少になった。資本財(除.輸送機械)は同▲2.5%の減少である。また、建設財は同▲1.0%の減少になった。供給サイドから推計される1~3月期実質設備投資・前期比は▲0.5%程度の減少になると予測した。

●在庫投資の前期比寄与度は+0.2%程度とみた。ARIMAモデルにより内閣府が10~12月期GDP第2次速報値時点での情報を使って算出・公表した、1~3月期の原材料在庫の季調済実質値前期差は▲3046億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は+1384億円である。また、鉱工業在庫指数の前期比は、10~12月期は▲2.4%のマイナスだったが、1~3月期は+2.3%のプラスになったことなどを考慮した。

●公共投資は前期比+0.1%程度と前期比プラスと見た。16年度の第2次補正予算の執行が本格化したとみた。

●実質輸出入の動向をみると輸出の1~3月期前期比は+3.0%の増加になった。輸入は同+0.6%の増加になっている。1~3月期第1次速報値の外需のモノの面はかなりのプラス寄与になりそうだ。サービス面を考慮して、GDPの輸出の1~3月期前期比は+0.5%の増加、同輸入は同+0.2%の増加と予測した。1~3月期の外需の前期比寄与度は+0.1%程度のプラスになると予測する。

●1~3月期の実質GDP第1次速報値・前期比は+0.5%程度、前期比年率+2.0%程度と5四半期連続のプラス成長になるとみた。