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2017年8月分機械受注

2017年10月11日

―8月分の機械受注(除船電民需)前月比は+3.4%と2カ月連続の増加―
―8月分の機械受注(除船電民需)の大型案件は「その他非製造業」で1件、7月分は0件―
―内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に変更―
―機械受注(除船電民需)9月分前月比▲1.9%なら、7~9月期見通し前期比+7.0%達成―

●8月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は+3.4%と2カ月連続の増加になった。内訳をみると、製造業の前月比は+16.1%の大幅増加となった。増加は2カ月連続だ。非製造業(除船電民需)の前月比は+3.1%と3カ月連続の増加だった。一方、機械受注(除船電民需)の前年同月比は+4.4%と3カ月ぶりの増加になった。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、4月分・5月分・6月分・7月分と0件で、企業行動の慎重さが窺えるような状況であったが、8月分は「その他非製造業」の火水力原動機1件があった。「その他非製造業」の前月比は+57.7%の大幅増加になった。 

●8月分の製造業の前月比は+16.1%と2カ月連続の増加。製造業17業種中、13業種が増加で、減少は4業種だった。鉱工業生産指数が増加基調を続けている中、製造業の機械受注の基調はしっかりした状況が続いている。 

●8月分の非製造業(除船電民需)の前月比は+3.1%と、3カ月連続の増加になった。非製造業全体では前月比▲0.0%と4カ月ぶりの減少になった。電力業は前月比+2.2%と2カ月ぶりの増加だった。非製造業12業種中、9業種が増加で3業種が減少となった。 

●7月分の機械受注全体の大型案件は運輸業・郵便業1件(船舶)、外需4件(火水力原動機、電子計算機等、鉄道車両、船舶)の合計5件だったが、今回8月分は「その他非製造業」1件(火水力原動機)、官公需1件(防衛省・航空機)外需3件(火水力原動機、運搬機械、航空機)の合計5件だった。

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注は8月分で前月比▲0.6%と2カ月連続の減少になったが、8月分の前年同月比は+9.2%と7カ月連続の増加で底堅さを示唆した。 

●内閣府の基調判断は、16年9月分で「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正となった。その後16年10月分~17年4月分で据え置きになったが、5月分で「機械受注は、足踏みがみられる」に8カ月ぶりに下方修正となり、6月分・7月分と同じ判断となった。今回8月分で「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に4カ月ぶりに判断が修正された。「足踏み」という言葉が入らない表現は昨年8月分以来、1年ぶりだ。 

●7~9月期の機械受注(除船電民需)の見通しは前期比+7.0%の増加である。過去3四半期の達成率平均は101.2%で単純集計値をやや膨らませている数字である。これを達成するには9月分の前月比が▲1.9%の減少で達成できる。 

●設備投資の先行指標の機械受注は、最近しっかりした動きになっている。11月15日に発表される7~9月期のGDP統計・第一次速報値で設備投資がしっかりした前期比になりそうなことと整合的だろう。 

●8月分景気動向指数・改定値では、先行CIに新たに加わる7月分実質機械受注(製造業)の前月差寄与度は大幅なプラスになるとみた。在庫率関連データなどが確報値段階でどのようにリバイスされるかにもよるが、先行CI・改定値の前月差は速報値の+1.6から改定値では+2台に上方修正になりそうだ。また、先行DIでは実質機械受注(製造業)の符号がプラスで加わるので、他の系列の符号が変わらなければ、80.0%程度と速報値の77.8%から若干上方修正になるものと予測される。