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2018年1月分機械受注

2018年3月14日

―1月分の機械受注(除船電民需)前月比は+8.2%と2カ月ぶりの増加―
―内閣府の基調判断は「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で据え置き―
―今回1月調査において、季節調整値の改訂を実施―
―機械受注(除船電民需)1~3月期前期比見通しは+0.6%から▲1.5%へ下方修正―
―機械受注(除船電民需)2・3月分各々前月比ゼロでも、1~3月期前期比は+3.2%に―

●1月分機械受注(除く船舶電力の民需ベース、以下、除船電民需と表記)の前月比は+8.2%と2カ月ぶりの増加になった。内訳をみると、製造業の前月比は+9.9%と2カ月ぶりの増加になった。非製造業(除船電民需)の前月比は+4.4%と2カ月ぶりの増加になった。機械受注(除船電民需)の前年同月比は+2.9%と2カ月ぶりの増加になった。

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、4月分・5月分・6月分・7月分と0件で、企業行動の慎重さが窺えるような状況であったが、8月分は「その他非製造業」の火水力原動機1件、9月分は「非鉄金属」の原子力原動機1件、10月分では「化学工業」の化学機械、11月分は「卸売業・小売業」の運搬機械1件があったが、前回12月分は0件だった。 

●機械受注(除船電民需)の大型案件は、今回1月分も該当がなかった。 

●1月分の製造業の前月比は+9.9%と2カ月ぶりの増加。製造業17業種中、10業種で増加した。減少は7業種だった。製造業の10~12月期・前期比は季節調整替え前の+4.0%から+3.5%に下方修正されたが、3四半期連続の増加には変わらない。1月分の前月比も増加で、製造業の機械受注の基調はしっかりした状況にあると言えよう。 

●1月分の非製造業(除船電民需)の前月比は+4.4%と2カ月ぶりの増加となった。前年同月比でみると、1月分は▲7.0%で10カ月連続の減少と弱めの基調が続いている。製造業は12月分こそ前年同月比+3.0%と鈍化したものの8月分~11月分と今回1月分は前年同月比2ケタ増で、6カ月連続の増加であることと対照的だ。電力業の1月分は12月分に引き続き大型案件がゼロだったが前月比+14.9%の増加となった。船舶の大型案件があった運輸業・郵便業は前月比+11.2%と2ケタ増加となった。非製造業全体では前月比▲2.0%で、こちらは2カ月連続減少になった。非製造業12業種中、6業種が増加で6業種が減少となった。 

●大型案件は、前回12月分では合計2件にとどまった。内訳は官公需1件(運輸業・鉄道車両)、外需1件(火水力原動機)であった。今回1月分では合計4件だった。内訳は運輸業・郵便業の船舶、外需3件(電子計算機等2件、航空機1件)であった。電子計算機等という区分には半導体製造装置が含まれている。電子計算機等の受注は先行きの輸出の伸びにつながろう。 

●中小企業の動きを反映している部分がある代理店受注は1月分で前月比▲3.1%と2カ月連続の減少になった。1月分の前年同月比は+7.8%と2カ月ぶりの増加になった。 

●内閣府の基調判断は、17年8月分で「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に4カ月ぶりに判断が上方修正された。「足踏み」という言葉が入らない表現は16年8月分以来、1年ぶりだった。9月分・10月分に続き、11月分でも基調判断は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」で据え置きになった。前回12月分は、「機械受注は、持ち直しの動きがみられるものの、12月の実績は大きく減少した」で実質的に判断据え置きとなった。こうした表現は16年4月分の「機械受注は 、持ち直しの動きがみられるものの、4月の実績は大きく減少した」以来であった。今回18年1月分では基調判断は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」で据え置きになった。

●機械受注(除船電民需)1~3月期の前期比見通しは+0.6%から▲1.5%に変わった。1~3月期の前期比実績はかつて見通しを下振れることが多かったが、見通しに使う達成率の計算方法を変えた10年(平成22年)からの7年間で上振れ4回、下振れ3回とほぼ同じになっている。今年は上方修正の可能性が大きそうだ。